【2017年2月5日 カンダハール(アフガニスタン)発】
© UNICEF Afghanistan/2017/Hamdard |
パシュタナさん(19歳)は、卒業後に医者の道に進みたいと考えています。そのためには、パソコンの知識を身につけることが必要不可欠です。しかし、アフガニスタン第二の都市カンダハールでは、最近まで頻繁に停電が発生し、高校の授業ではパソコンが使えず、コンピューター理論のみを学ぶということが多くありました。
けれども、2016年6月にパシュタナさんの通うナズー・アナ女子高等学校が、ユニセフの支援する「子どもにやさしい学校」プログラムの認定校として、他の8校とともに選ばれたことで、状況は大きく変わりました。アフガニスタン南部のヘルマンド州、カンダハール州、ウルズガン州、ザーボル州にある405校のモデル校になったのです。
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「子どもにやさしい学校(CFS)」プログラムは、ジェンダーに配慮し、適切な水と衛生施設を完備した安全な学習環境の下、子どもたちへ質の高い教育を提供することを目指しています。
モデル校では、CFSプログラム開始前に教員がCFSプログラムに関する研修を受けます。さらにモデル校は、生徒の学習環境向上のために最低限必要なものを受け取ることができます。パシュタナさんが通う学校は、予備電源と変換機を含む太陽光パネル20基を受け取りました。
これらの太陽光パネルは、校内のすべてのパソコンと、貯水タンクに地下水を汲み上げるためのポンプを動かすのに十分な電力を生み出します。
「今は、コンピューター室のパソコンが使えるようになりました」とパシュタナさんは笑顔で言います。「私は今年5月で卒業するけど、他の子どもたちが教科書でコンピューター理論を勉強するだけでなく、実際にパソコンを操作してコンピュータープログラムを学べるようになったことが嬉しいです」
コンピューターの授業を担当する教師ファルザナさんも、この変化を歓迎しています。
「太陽光パネルのおかげで、パソコンだけでなくプロジェクターを使用することもできるようになりました。生徒たちは、コンピューター室での授業を心待ちにしているのです。以前は、教科書だけで理論を教えていたので、まるで歴史を教えているような感覚でした」と、ファルザナさんは振り返ります。
「生徒たちを誇りに思います。短期間で、マイクロソフト・オフィスのプログラムも学びました。大学進学や仕事探しに、必ず役立つでしょう」
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同じく「子どもにやさしい学校」プログラム認定校に選ばれたアイノ第二女子高等学校のビビ・アイシャ校長は、コンピューターの授業ができるようなることを喜ぶとともに、太陽光電池が学校環境の全体的な改善にも役立っていると言います。
「これは、とても重要なことです。今は、校庭がコンクリートで覆われていますが、貯水タンクから安定的に水を供給できれば、芝生を育てることができます。学校に緑が増えれば、生徒たちにとって、休み時間に座って息抜きしたり、外で遊んだりできる魅力的な場所になります」
スポーツやレクリエーション活動に取り組める安全な場所を提供することは、子どもたちの学習の助けになるとともに、「子どもにやさしい学校」プログラムに欠かせない重要な要素です。
カンダハールのような伝統的社会では女の子がスポーツをする機会はありません。だから、バスケットボールなどのスポーツをする機会を与えることで、彼女たちが楽しめるだけでなく、力を与えることにもつながります。
サミラさん(17歳)は、「生徒が安全に遊べるこのグラウンドが、本当に大好きです。学校以外に女の子のための施設はないので、このグラウンドやコンピュータ―室はとても役立っています」と言います。サミラさんは、学校を卒業したら、女の子の教育を支援したいと思っています。
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