【2017年5月23日 ニューヨーク発】
25年以上にわたり、世界の子どもたちのために精力的に活動くださった、ユニセフ親善大使のロジャー・ムーア卿が亡くなられたことに際し、ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は以下の声明を発表しました。
© UNICEF/UNI51393/Cerni |
「ロジャー・ムーア大使が亡くなられたことで、世界は、子どもたちの偉大な英雄の一人を失いました。そして、世界でユニセフの活動を推進する私たちは皆、素晴らしい友人を失いました。ムーア大使は、俳優としては洗練されたクールな役柄で最も知られていますが、ユニセフの親善大使としての彼は、子どもたちの声なき声を伝えることに力を注ぐ、情熱的で、非常に説得力のある方でした。かつてムーア大使は、より平和な未来を子どもたちに与えることは、私たち皆の手にかかっているのだ、と語られていました。その想いをもって、クリスティナ夫人とともに、非常に熱心に活動してくださいました。
私たちユニセフのスタッフ一同は、ムーア大使のご家族に心からのお悔みを申上げます。そして、ロジャー大使の多くのご友人や世界中のファンのみなさんとともに、彼の人生に敬意を表し、彼の死に哀悼の意を表します」
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ロジャー・ムーア卿は、ユニセフ親善大使として最も長い期間努めてくださっているひとりです。
ユニセフ親善大使に就任されたのは、1991年8月9日。ユニセフ親善大使になったきっかけとして、「オードリー・ヘップバーンさんがユニセフについて教えてくれたことで、私の好奇心は、より大きくなった。単なる情報や数値よりも、もっと深く知りたくなったのです」とムーア大使は語っています。
ユニセフ親善大使としての最初に訪問したのは、中央アメリカのコスタリカ、エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラで、ユニセフが支援プログラムを展開している地域をまわりました。その後も、ユニセフ親善大使として、ブラジル、ガーナ、ジャマイカ、インドネシア、日本、韓国、オランダ、カザフスタン、スロベニア、旧ユーゴスラビア・マケドニア、フィリピン、メキシコを訪れています。
ムーア大使は、世界で最も弱い立場に置かれた子どもたちが直面する、切実な状況に光を当てるとともに、子どもの権利、HIV/エイズ、地雷による負傷、児童労働、ヨード欠乏症などに関する問題に力強い声を上げました。
2012年11月、ムーア大使は、ユニセフの活動、及び、子どもの権利の推進に対する献身を祝して、英国ユニセフ協会による「Lifetime Achievement Award(生涯功労賞)」の初の受賞者に選ばれました。ロジャー大使は、受賞に際して、「私はおそらく、ジェームズ・ボンド役として最も知られているかもしれませんが、ユニセフ親善大使としての役割こそ、私が最も情熱を注いでいるものです。世界の子どもたちと、ユニセフの現場で活動する人々こそが、この賞を授与するにふさわしいことは、疑いの余地はありません。しかし、私はこの賞を頂いたことに感謝を申し上げるとともに、非常に光栄に思います」と語っています。
ムーア大使は、亡くなる直前まで、ユニセフの活動に力を注いでくださいました。
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