【2017年6月13日 サヌア(イエメン)発】
紛争と栄養不良が蔓延するイエメンで、コレラの流行拡大が止まらないことを受け、ユニセフ(国連児童基金)イエメン事務所代表 メリチェル・レラノは、以下の声明を発表しました。
© UNICEF/UN066510/Fuad |
イエメンでのコレラ感染は目を見張るスピードで拡大し続けています。これまでに12万4,000件以上の症例が記録されており、その約半数は子どもです。
イエメンの子どもたちは、今も戦争の矢面に立たされています。病気になった子どもやコレラが原因で死亡した子どもたちの多くは栄養不良に陥っていました。4月下旬以降、コレラが原因で亡くなった人の数は少なくとも923人にのぼり、そのうち4分の1は子どもです。
紛争で大打撃を受けたイエメンの保健システムを、コレラの流行が打ちのめしています。病院や治療センターは、全国から押し寄せる大勢の患者の対応に苦戦しています。医薬品や点滴製剤も不足しています。
医療従事者たちは、このような多くの困難に直面しながら、そして約9カ月間給料が支払われていないのにも関わらず、この緊急事態への対応のためにいかなる努力も惜しむことはありません。
医療従事者に給料を支払うための緊急的な解決が無ければ、イエメンにたくさんの支援物資が届いたとしても、さらに多くの子どもたちが命を落とすことになります。
紛争の終結が見えない中、コレラの流行やその他起こりうる病気が、子どもたちの命に忍び寄り続けるのです。
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現地で支援活動に携わる日本人職員の声
ユニセフ・イエメン事務所の大平健二教育専門官は、コレラの症例数が急増していることにより、保健、栄養、水と衛生支援に携わるスタッフたちは、多忙な日々を送っていると語ります。「急激に症例数が増えていることに、ある同僚は、患者数は右肩上がりなんてものではなく、直角上がりに激増してる、と形容するほどです」
イエメンではこれから夏本番を迎えるにあたり、ユニセフとパートナーの懸命な努力にも拘らず、現在のコレラ流行の状況は、今後もしばらく続くと見込まれます。
イエメンの学校は現在、年度末の休暇中ですが、大平教育官が携わる教育部門は、9月の新学期開始前に実施する「バック・トゥ・スクール」キャンペーンの一環で、学校でのコレラ対策活動を行っていく予定です。
「新学期の前に、状況が改善していることを切に願っています」と、大平教育官は語ります。
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