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日本ユニセフ協会
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遊びは最も自然な表現手段
映画『いのちのはじまり』
トークイベント開催報告

【2017年6月23日  東京発】

本田氏によるトークショー。「災害時には子どもが周りの人々とつながり、安心して日常生活を繰り返せることが大切」という。

本田氏によるトークショー。「災害時には子どもが周りの人々とつながり、安心して日常生活を繰り返せることが大切」という。

ユニセフは、乳幼児期の子どもの発達(Early Childhood Development - ECD)の大切さを訴える「ECD世界キャンペーン」を展開しています。その一環として制作に参加したのが、映画『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』です。昨年秋から今年初めに、日本ユニセフ協会がユニセフハウスで開催した上映会で大きな反響を呼んだ本作が、6月24日(土)から、東京をはじめ全国で一般公開されます。この公開を記念し、6月2日(金)、配給会社アップリンク主催の試写会が日比谷図書文化館で開催されました。10代から60代以上まで幅広い年齢層の方約90名にご参加いただき、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん等さまざまな立場から映画のメッセージについて考えていただく機会となりました。

試写会の後のトークショーでは、東日本大震災の被災地支援にも取り組まれた元ユニセフ職員で臨床心理士の本田涼子氏が登壇。子どもにとっての遊びや乳幼児期の脳の発達について解説いただきました。

遊びは最も自然な表現手段

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© いのちのはじまり

 子どもは周りにある身近なもので遊び、自分を表現する。

本田氏によると、子どもにとって、遊びは呼吸をするのと同じくらい自然なこと。不安や希望、自分はどんな人間かなど、子どもはさまざまなことを遊びの中で表現するといいます。災害後などの、遊びを通した子どもの心の治療であるプレイセラピーでは、専門的なトレーニングを受けた心理士がそうした子どもの表現に寄り添い、受け入れます。一定期間継続して行われるプレイセラピーの下、子どもは遊びを通して気持ちを整理し、体験を乗り越えていきます。

愛着関係が脳の発達の基盤

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© いのちのはじまり

 養育者とのふれあいは、脳を形成する基盤になる。

続けて、この映画で乳幼児期が大切な理由として伝えていた「脳の発達」について本田氏が解説。人間の脳は、生まれた時は400gくらいでも、2~3歳ころまでに1200~1300gになると言われています。この大切な時期に、身体・感情・知識がバランスよく発達することが大切で、そのためには、遊びという五感を通した刺激が不可欠だということです。また、主要な養育者とのふれあいは、乳幼児期の愛着を形成し、脳を形成する基盤になるということにも触れました。いずれにおいても、子どもはそれぞれ個性も性格も違うため、一つの正解はなく、その子の興味と発達段階に合わせることが非常に大切だと強調しました。

子どもとの時間を楽しむ

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© いのちのはじまり

 日常生活の中で、子どもとの時間を楽しめるようにすることが大切。

本田氏は最後に、映画を見た方に伝えたいこととして、いつも一緒にいて、完璧な親にならなきゃ、と考えすぎるのはかえって危険。イギリスの精神科医ドナルド・ウィニコットの言う「そこそこいい親 (good enough mother)」でいて、日常の生活の中で、リラックスして子どもとの時間を楽しめるようにすることが大切だと訴えました。

 

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 映画『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』は、6月24日(土)よりアップリンク渋谷ほか全国で順次公開されます。映画公式ホームページはこちらから

 

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