【2017年6月28日 ハルツーム(スーダン)発】
過去数カ月、スーダンは複数の危機に直面しています。急性水様性下痢症が疑われる症例が18州のうち12州で急速に拡大し、南スーダンからは大量の難民が流入し、そして特に中央ダルフール州のジャベル・マラ地域において栄養不良の割合が高まっています。
©UNICEF Sudan |
過去10カ月だけで、急性水様性下痢症が疑われる症例が1万6,600件を超え、そのうち317件の死亡が報告されており、これは警戒態勢を取らなければならないレベルの2倍の割合となっています。最も影響を受けているのは、スーダン中部の白ナイル州で、5,800件以上の症例が報告されています。影響を受けている人々の約20%が子どもです。
「現在、毎週報告される数字は、昨年の雨季のピーク時と同じレベルです。白ナイル州では、10万人近い難民のほとんどがキャンプに暮らしており、雨季が始まれば彼らの生活環境が悪化しかねないことが、大きな懸念となっています」とユニセフ(国連児童基金)スーダン事務所代表アブドゥラー・ファーディル(Abdullah Fadil)は述べました。
さらに、今年に入ってから、約10万人の子どもを含む、15万5,000人以上の南スーダンからの難民がスーダンに逃れてきました。南スーダンでは紛争が続いており、食糧不足が蔓延していることから、2017年にスーダンに逃れてくる難民の数は年初に推測されていた数の3倍にのぼるとされています。最も影響を受けているのは、東ダルフール州、北ダルフール州、南ダルフール州、白ナイル州、南コルドファン州および西コルドファン州です。
© UNICEF/UN057869/Chudeau |
「増え続ける南スーダンからの難民と230万人を超える国内避難民は、すでに資源を使い果たしている受け入れコミュニティにさらなる負担を強いています。そして最も影響を受けるのは子どもたちです。彼らが必要とする、特に水と衛生、保健と栄養の分野における命を守る人道支援を早急に提供するための、迅速かつ継続的な支援が必要不可欠です」とファーディルは強調しました。
最近立ち入りが可能となった中央ダルフール州のジャベル・マラ地域での最新の評価調査では、栄養不良に陥っている子どもの数は高いレベルに達しており、重度の栄養不良に陥っている子どもは5.4%にのぼります。また、一度も予防接種を受けたことのない7歳の子どもがいるなど予防接種率は非常に低く、教育支援を必要としている学齢期の子どもは2万3,000人と推定されます。
ユニセフは、州当局および現地で活動しているNGOと協力して、栄養、保健、水と衛生、衛生啓蒙活動およびこどもの保護の複数の分野を横断する支援を、「発見と治療キャンペーン”Find and Treat Campaign”」を通じて、ジャベル・マラの北部、西部および中央部で展開しています。2017年の人道支援計画(Humanitarian Action for Children-HAC)において必要とした活動資金のうち、6月中旬までに確保できたのは33%のみで、難民支援活動については14%に留まっています。
南スーダン難民支援
急性水様性下痢症
中央ダルフール州のジャベル・マラ地域
* * *
ユニセフが実施しているスーダンにおける緊急支援を支えて下さっている、EU、ドイツ、日本、スウェーデンおよび米国の各国政府、ならびに国連ダルフール基金(UN-Darfur Fund)、国連中央緊急対応基金(UN's Central Emergency Response Fund)およびスーダン人道支援基金(Sudan Humanitarian Fund)を通じてご支援くださっている方々に、心より感謝申し上げます。
【関連ページ】
シェアする