【2017年7月8日 ジュバ(南スーダン)発】
南スーダンの独立6周年を前に、この未熟な国の子どもたちの希望や夢はまだかなえられていないと、ユニセフ(国連児童基金)は本日述べました。ユニセフは、南スーダンの現状は、子どもたちが紛争の代償を負わされ、基本的サービスが崩壊するなど、子どもたちにとって大惨事であると言います。
© UNICEF/UN055425/Modola |
「南スーダンの何百万人もの子どもたちは、想像を絶する苦難を強いられ、教育、栄養、保健および人権が妨げられています」と、7月9日の南スーダン独立記念日の前日に、ユニセフ・南スーダン事務所代表マヒンボ・ムドエは述べました。「200万人以上の子どもたちが、激しい戦闘から逃れるために家を後にしました。6月には、100万人目の子どもの難民が誕生しました。2,000人以上の子どもたちが死傷し、さらに多くの子どもたちがおぞましい暴力を目撃しました。この驚異的な数の中には、子ども一人ひとりの今も続く苦難があるのです」
南スーダンでは、子どもたちは日々の生活のあらゆる場面で、子ども時代を否定されています。
南スーダンの約220万人の子どもたちは学校に通っていません。 この国は、非就学児の割合が世界で最も高く、70%以上の子どもが教育を受けていません。また、学校の約3分の1は、武装グループにより攻撃されました。
6月に発表された、総合的食糧安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification、略称IPC)によれば、全国の人口の半分以上にあたる、600万人が深刻な食糧不安の状態にあります。また、110万人の子どもは急性栄養不良に陥っており、そのうち十分な栄養を摂取している子どもと比較して死亡する確率が9倍高くなるとされる重度の急性栄養不良に29万人が陥っています。
南スーダンの崩壊寸前の保健システムおよび水と衛生システムが、子どもたちを、はしかなどの命に関わるウィルス性の疾患やコレラなどの水に起因する疾患に晒しています。現在発生しているコレラの流行は、南スーダン史上、最も長期かつ広範囲にわたっています。1年前に流行が始まってから報告された症例数は1万件を超え、子どもの症例は51%を占めています。
そして、2013年12月の紛争勃発以降、少なくとも2,500人の子どもが死傷し、254件以上の子どもに対する強姦および性的暴行事件が報告されています。1,700人以上の子どもが武装勢力や武装グループの仲間に入り、徴用は今も続いています。
© UNICEF/UN068346/Hatcher-Moore |
このように、南スーダンの最も弱い立場にある市民が極めて厳しい状況下に置かれている中、ユニセフはパートナー団体と協力して2017年に以下の支援を実施しました。
「独立記念日は祝うべきものです」とムドエは言います。「しかし、今日、南スーダンで紛争に巻き込まれている何百万人の子どもたちには、お祝いはありません。ユニセフは、最も必要とする人たちに支援を届けるべく、緊急支援の規模を拡大しています。しかし、そのためには、今まで繰り返し言ってきたことを、あえて再度言いますが、人道支援活動従事者には完全かつ安全なアクセス(移動の自由)が必要であり、南スーダンの子どもたちには平和が必要です」
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