【2017年7月18日 ワシントンD.C.発】
ユニセフは2016年、記録上過去最多となる344の人道危機的状況に支援を実施したことを年次レポート『人道支援活動ハイライト(Humanitarian Action Study)』によって明らかにしました。
この発表にあわせ、ユニセフ(国連児童基金)事務局次長ジャスティン・ フォーサイスは、米国上院議会外交委員会の国際開発に関する小委員会において声明を発表しました。下記はその要約です。
飢きんが迫るソマリア、南スーダン、ナイジェリア北東部およびイエメンで、子どもたちは大きな代償を払わされています。今年、140万人近くの子どもたちが差し迫った死の危険に直面し、500万人以上の子どもが栄養不良の状態に陥る危険があります。
これらの危機に各国政府・地域当局やコミュニティが対応できるように、国際社会が協力して支援していることが成果に繋がっています。私たちが協力することで、命を守っているのです。ユニセフなどの国連機関やNGOを含めた人道支援従事者は、この4カ国で、毎月、少なくとも1,000万人に対して、命を守る支援を届けています。
しかし、飢きんの脅威は無くなっていません。私たちが、結集した努力を継続しつつ規模を拡大しなければ、さらに何百万人もの子どもたちが、飢え死にし、または生涯を通して発育阻害に苦しむ危険に晒されるのです。そして、この危機的状況が長期化すれば、イエメンで発生したコレラの流行のように、現在の緊急事態に重ねてさらなる緊急事態が発生するより大きな危険性をはらんでいます。
最も弱い立場にある子どもたちとコミュニティに支援を届けることの妨げになっている問題の解決方法を模索し、新たな緊急事態の発生を回避し、何百万人もの家族に持続可能な復旧・復興への道筋をつける手助けをするために、私たちは支援規模拡大のための努力を倍増させなくてはなりません。そして、こうした危機の根本原因に取り組み、長期化する紛争と人権侵害を終結させ、私たちの緊急人道支援を根本的に脆弱なコミュニティに対処する効果的な開発支援に結びつけるためには、もっと多くの努力が必要です。
紛争、干ばつのような極端な気象現象、自然環境の悪化、気候変動、生計の糧の損失および貧困などは、すべて飢餓や危機の要因です。これらの原因に取り組まなければ、私たちは繰り返し危機の再発に見舞われるのです。
© UNICEF/UN034405/Rich |
紛争に巻き込まれた市民は、紛争当事者に国際法や規範に基づいた義務を履行させるために、国連安全保障理事会や世界の影響力のある人々にさらなる努力を求めています。紛争に巻き込まれた市民の保護の改善および必要としているすべての人に、彼らがどこにいようとも、支援を妨げられることなく届けられることが、人々の苦難を早期に軽減することが出来るのです。これらの長期化した紛争を終わらせるためには、新たな外交的な働きかけが必要です。
これは、繰り返し起こる干ばつなどの自然環境や気候に関連した危機に対して、国や地域および国際社会が、防災能力や災害からの回復力を構築するためにさらなる努力が必要ということも意味しています。
ソマリア・南スーダン・ナイジェリア・イエメンの4カ国とその周辺地域の子どもたちは、かつてないほど高い代償を求められています。140万人近い子どもたちは、差し迫った死の脅威に直面しており、私たちがこれらの危機を止め、持続的な復旧・復興を支援しなければ、さらに何百万人の子どもたちが危機に直面することになります。子どもたちの必要性に応えることが遅くなればなるほど、彼らの未来は危険に晒されます。甚大なる脅威に直面した子どもたちと家族は、彼らがこの危機を生き延び、彼ら自身と彼らの国の明るい未来を構築するために、彼らと共にある米国の人々のリーダーシップと寛大さに大きな期待を寄せています。
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ユニセフの毎年の人道支援活動を要約する『人道支援活動ハイライト(Humanitarian Action Study)』は、様々な分野におけるユニセフの活動全体を提供するために、各国の年次報告やその他の報告書から得られた情報をもとにまとめられています。
2016年、ユニセフの108の国事務所は、344の人道危機的状況に支援を実施。1年間に支援した人道危機的状況の数は記録上過去最多となりました。
ユニセフがおこなった人道支援の一例:
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