【2017年9月7日 マイドゥグリ(ナイジェリア)、ダカール(セネガル)、ニューヨーク発】
ナイジェリア北東部のコレラの“ホットスポット”(流行地域)で暮らす、35万人の子どもたちを含む140万人の人々の健康状態への懸念が増大していると、ユニセフ(国連児童基金)は本日警鐘を鳴らしました。
© UNICEF/UN0118998/Sokhin |
この地域で発生している暴力とそれに対する軍事的措置により170万人以上が避難し、360万人を超える人々が基本的な水のサービスを適切に受けられていない中で、コレラが発生しました。
コレラによる死者数は推定28人で、コレラの感染が疑われる患者の数は5歳未満児 145人以上を含む837人とされています。コレラは、ナイジェリア北東部ボルノ州の州都マイドゥグリにあるムナ・ガレージ(Muna Garage)避難民キャンプにおいて初めて確認された後、同州の他の6カ所にも急速に広がりました。雨の多さによって、紛争の影響を受ける子どもたちへの病気や栄養不良のリスクが増大する中、ユニセフはパートナー団体と共に、コレラ対策への支援を急速に拡大しています。
「コレラは、どのような状況下でも幼い子どもたちにとって耐えがたい病気ですが、特に、栄養不良、マラリアやその他の水に起因する病気によって彼らの抵抗力が既に弱められている時、これは命の危機となるのです」と、ユニセフ・ナイジェリア事務所副代表パネラ・アイアンサイドは述べました。「コレラは、ナイジェリア北東部において子どもたちの命を脅かす脅威の一つとなっています」
© UNICEF/UN0118995/Sokhin |
雨季に入る前から、コレラ対策計画は始動していました。宗教指導者、コミュニティのリーダーや地元のボランティアが、良い衛生習慣を促進し、感染が疑われる症例が保健施設に報告されるよう取り組んできました。雨季が続く中さらなる拡大を阻止するための取り組みとして、避難民キャンプや受入コミュニティのアクセスポイントでは水の塩素処理(消毒)が行われました。
コレラの発生が確認されてからは、ボルノ州政府によって、世界保健機関(WHO)、ユニセフや国際NGOの協力の下、水と衛生と保健分野とが緊密に連携を取りながら活動が迅速に行われました。それには、ムナ・ガレージ避難民キャンプにおけるコレラ治療センター(CTC)の設立も含まれます。
雨季による影響も考慮して、ユニセフは、紛争による影響を最も受けているナイジェリア北東部の3つの州における栄養と子どもの健康プログラムの取り組みも拡大しました。今年これまでに、重度の栄養不良に陥っていた11万人以上の子どもたちに治療を行い、約12万張の蚊帳を配布し、3つの州に住む300万人以上の人々に緊急のプライマリ・ヘルスケア・サービスを提供しました。安全面の懸念のさらなる高まりや、洪水によるアクセスの制限、保健システムの深刻な被害にも関わらず、これらの取り組みは続けられています。
命を奪うコレラの発生にも関わらず、水と衛生分野は深刻な資金不足に直面しています。これまでにユニセフが確保できた資金は、200万人を対象にした、水に起因する病気から子どもたちを守る主要な取り組みとしての安全な水の提供や、栄養不良の予防のために必要な資金のわずか49%に留まっています。
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