【2017年10月26日 アンマン(ヨルダン)発】
中東危機の影響を受ける子どもたちを脅かしているのは、間もなく訪れる厳しい冬です。ユニセフ(国連児童基金)は、本格的な冬の寒さが到来する前に、暖かい服や毛布などの越冬支援の提供を急いでいますが、必要な資金のうち6,000万米ドルが不足しているために、150万人の子どもたちを寒さにさらすことになりかねません。
© UNICEF/UN0127481/Anmar |
イラク、シリア、パレスチナや近隣の難民受け入れ国で暮らす、紛争の影響を受け、生活に困窮している家族たちにとって、零下の気温、嵐や激しい積雪は、彼らがすでに直面している多くの苦難にさらなる追い打ちをかけることになります。彼らの多くは暴力のために避難を余儀なくされ、難民キャンプや仮設住居で暮らしていますが、突き刺さるような冬の寒さから自らを守るすべはほとんどありません。
数年にわたる紛争、避難生活、そして失業のために、家族の資金は底をつき、暖かい服や暖房用燃料を購入することが難しくなっています。また、学校が暖かくなければ中退する子どもの数が増えることが予測されます。
「支援がなければ、冬の寒さは、すでにあまりにも多くの苦しみを味わい衰弱しているこの地域の子どもたちにとって、さらなる過酷な打撃となりかねません」と中東・北アフリカ地域事務所代表のヘルト・カッペラエレは述べました。「十分な栄養がとれず、保健ケアも受けられず、避難生活を余儀なくされている子どもたちの健康状態は衰弱しています。子どもたちにとって低体温症や呼吸器感染症は深刻な脅威です。治療を受けられなければ死に至るのです。」
ユニセフが冬の到来の前に配布を予定している支援:
ユニセフが計画している、地域の危機の影響を受けている最も弱い立場にある子どもたちへの冬の寒さを乗り超えるための支援には7,300万米ドルを必要としていますが、現在までに獲得できているのは僅か20%未満です。
■ユニセフが計画している越冬支援
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