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日本ユニセフ協会
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欧州難民危機・ギリシャ
おとなの同伴ない子ども急増 足止めや拘留で1,800人が緊急の支援必要
島から本土への移送と適切なケアを

【2017年10月27日  アテネ(ギリシャ)/ジュネーブ発】

ギリシャにいる、同伴するおとなのいない3,000人近くの難民・移民の子どもたちのうち、適切な施設に滞在しケアを受けている子どもは3分の1に過ぎないと、ユニセフ(国連児童基金)は本日、警鐘を鳴らしました。子どもの支援を担うユニセフは、弱い立場に置かれている子どもたちを守るための主要な政策や法の改正を促しています。

おとなの同伴ない子ども急増

Mariem, 8, a refugee from the Syrian Arab Republic, in her family’s shelter in Pikpa Village, an open refugee camp run by volunteers outside of Mytilini, Lesvos, Greece, Tuesday 14 March 2017. Mariem lives in the informal camp with her younger brother Omar, 4, and her parents. Pikpa was established in 2012 by volunteers and today hosts up to 100 refugees in a community like atmosphere. The Greek Islands are being used by the European Union as containment facilities for refugees escaping war to prevent them from traveling further into Europe. Today there are 15,000 people trapped on the island, and 66,000 across Greece. As of March 2017, one year after the closure of the Western Balkans migration route, irregular movements within Europe continue, but refugee and migrant children, whether alone or with family members, are increasingly facing higher fences, stricter border control and regular push-backs. Most recent concerns have been raised around new legislation in Hungary, prescribing for detention of asylum-seeking children above 14 years of age for migration control purposes. UNICEF continues supporting child protection services in 11 Child and Family Support Hubs (Blue Dots) in open reception facilities on the mainland and in urban sites in Athens, Thessaloniki and Ioannina. Since the beginning of 2017, 1,341 children (including 507 newly registered in February) benefitted from services on regular basis.  Vulnerable refugee and migrant families and children continued benefitting from specialised psychological and mental health services in Athens and five open sites in Attica region (Elefsina, Elliniko, Agios Andreas/NeaMakri, Rafina and Elaionas).  UNICEF’s ongoing partnership with the Office of the Greek Ombudsperson for Children on child rights monitoring continued in February, including organizing visits to Skaramangas and Lesvos, as well as continuous advocacy with the Ministry of Migration and the Ministry of Education on issues related to UASC and

© UNICEF/UN057954/Gilbertson VII Photo

シリアから逃れ、難民キャンプに滞在するマリアムちゃん(8歳)。(レスボス島)2017年3月撮影

難民・移民の最近の到着数が急増したことで、島の難民キャンプの生活環境は悪化し、過密状態になっています。今年の9月には新たに5,700 人以上がギリシャに到着し、昨年9月に到着した推計3,080人を上回っています。

同伴するおとなのいない子どもを対象としたギリシャの島々の収容施設の中には、想定規模の2倍の子どもを受け入れている施設もあり、子どもの安全と福祉が阻まれています。適切な保護下にない中で、特に夜は危険です。また、島から本土への移送が最長5カ月間遅れていることが、子どもたちにとって心理的なストレスになっています。

現在、同伴するおとなのいない約1,800人*の子どもが、滞在施設への入居を待ちながら屋外や難民収容施設に滞在し、或いは島で立ち往生の状態であるか事実上拘留されています。路上で暮らしている子どももおり、冬が近づく中でリスクも高まっています。

「同伴するおとなのいない子どもたちには、適切な滞在施設、ケアと保護が必要です。これを実現する手段はあります」と、ユニセフ・ギリシャ事務所難民・移民支援調整官ローラン・シャピュイ(Laurent Chapuis)は述べました。「島々で立ち往生している、同伴するおとなのいない子どもたちを、今すぐ本土の滞在施設に移送するべきです。また、基準を満たす既存施設への資金投入を増やし、さらなる代替ケアや管理下に置かれた居住計画を増やすべきです。これらすべてを、実行に移すことは可能です」

数年にわたる財政危機に見舞われたギリシャで、地域社会を主体としたケアを強化するためには、政策や法の改正が急がれるとユニセフは訴えています。また、ヨーロッパのどこかに家族がいる子どもに対して、ユニセフは家族の再統合を果たすよう他のヨーロッパ諸国にも呼びかけています。

「2015年以来、ギリシャ政府はパートナーとともに、欧州の難民・移民危機の最前線に立ち、子どもや家族のニーズに応えるため多大な努力を払ってきました」とシャピュイは述べました。合わせて、本土の収容施設の環境は改善され、島からの輸送も早まったと説明しました。

ギリシャで、同伴するおとなのいない子どもの数は、夏の間、6月末の2,300人から9月末の2,850人まで増えました。ギリシャには、難民・移民の子どもたちが現在推定で19,000 人おり、同伴するおとなのいない子どもは、子どもの移民・難民の約15%に達しています。

*緊急の支援を必要としている、同伴するおとなのいない1,800 人の子どもたちのうち、106人はこう留され、228人は難民申請者のための島の一時収容施設に滞在し、194人が安全区域にいます。

 

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ワークショップに参加する、シリア難民のヴィアンちゃん(6歳)。(アテネ)2017年7月撮影

© UNICEF/UN070429/d’Aki

ワークショップに参加する、シリア難民のヴィアンちゃん(6歳)。(アテネ)2017年7月撮影

ユニセフは、以下の6つの行動計画の実行による難民・移民の子どもの安全と健康の確保を各国政府に対して呼びかけています。

  1. 難民・移民の子ども、特に同伴するおとなのいない子どもを搾取や暴力から守る
  2. 問題解決につながる様々な代替策を提示することによって、難民認定や移住を求める子どもたちの拘留を終わらせること
  3. 子どもを保護し、法的身分を与えるための最善の方法として、家族が一緒にいられるようにすること
  4. すべての難民・移民の子どもたちに、学び続けられる機会と、保健やその他の質の高いサービスへのアクセスを提供すること
  5. 大規模な難民・移民問題を引き起こしている根本原因に対処する行動を、強く求めること
  6. 難民・移民が通過する国々や目的地の国々において、外国人に対する嫌悪、差別、社会的排除と闘う対策を促すこと

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