【2017年10月27日 アテネ(ギリシャ)/ジュネーブ発】
ギリシャにいる、同伴するおとなのいない3,000人近くの難民・移民の子どもたちのうち、適切な施設に滞在しケアを受けている子どもは3分の1に過ぎないと、ユニセフ(国連児童基金)は本日、警鐘を鳴らしました。子どもの支援を担うユニセフは、弱い立場に置かれている子どもたちを守るための主要な政策や法の改正を促しています。
© UNICEF/UN057954/Gilbertson VII Photo |
難民・移民の最近の到着数が急増したことで、島の難民キャンプの生活環境は悪化し、過密状態になっています。今年の9月には新たに5,700 人以上がギリシャに到着し、昨年9月に到着した推計3,080人を上回っています。
同伴するおとなのいない子どもを対象としたギリシャの島々の収容施設の中には、想定規模の2倍の子どもを受け入れている施設もあり、子どもの安全と福祉が阻まれています。適切な保護下にない中で、特に夜は危険です。また、島から本土への移送が最長5カ月間遅れていることが、子どもたちにとって心理的なストレスになっています。
現在、同伴するおとなのいない約1,800人*の子どもが、滞在施設への入居を待ちながら屋外や難民収容施設に滞在し、或いは島で立ち往生の状態であるか事実上拘留されています。路上で暮らしている子どももおり、冬が近づく中でリスクも高まっています。
「同伴するおとなのいない子どもたちには、適切な滞在施設、ケアと保護が必要です。これを実現する手段はあります」と、ユニセフ・ギリシャ事務所難民・移民支援調整官ローラン・シャピュイ(Laurent Chapuis)は述べました。「島々で立ち往生している、同伴するおとなのいない子どもたちを、今すぐ本土の滞在施設に移送するべきです。また、基準を満たす既存施設への資金投入を増やし、さらなる代替ケアや管理下に置かれた居住計画を増やすべきです。これらすべてを、実行に移すことは可能です」
数年にわたる財政危機に見舞われたギリシャで、地域社会を主体としたケアを強化するためには、政策や法の改正が急がれるとユニセフは訴えています。また、ヨーロッパのどこかに家族がいる子どもに対して、ユニセフは家族の再統合を果たすよう他のヨーロッパ諸国にも呼びかけています。
「2015年以来、ギリシャ政府はパートナーとともに、欧州の難民・移民危機の最前線に立ち、子どもや家族のニーズに応えるため多大な努力を払ってきました」とシャピュイは述べました。合わせて、本土の収容施設の環境は改善され、島からの輸送も早まったと説明しました。
ギリシャで、同伴するおとなのいない子どもの数は、夏の間、6月末の2,300人から9月末の2,850人まで増えました。ギリシャには、難民・移民の子どもたちが現在推定で19,000 人おり、同伴するおとなのいない子どもは、子どもの移民・難民の約15%に達しています。
*緊急の支援を必要としている、同伴するおとなのいない1,800 人の子どもたちのうち、106人はこう留され、228人は難民申請者のための島の一時収容施設に滞在し、194人が安全区域にいます。
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© UNICEF/UN070429/d’Aki |
ユニセフは、以下の6つの行動計画の実行による難民・移民の子どもの安全と健康の確保を各国政府に対して呼びかけています。
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