【2017年11月3日 ジュネーブ/コックスバザール(バングラデシュ)/ニューヨーク発】
バングラデシュ南東部のコックスバザールにあるKutupalong難民キャンプで先週実施された栄養調査によると、ロヒンギャの子どもたちの7.5%が生死にかかわる重度の急性栄養不良で、その割合は今年の5月時点と比べ2倍に増えている、とユニセフ(国連児童基金)は今日発表しました。
© UNICEF/UN0141020/LeMoyne |
「キャンプで暮らしているロヒンギャの子どもたちは、ミャンマーのラカイン州北部での恐ろしい体験と危険な旅を生き抜いてきた子どもたちで、すでに惨事の中で苦しんでいるのです」とユニセフ・バングラデシュ事務所代表エドゥアルド・ベイグベデルは述べました。「特に重度の栄養不良に陥っている子どもたちは今、予防や治療が十分に可能な要因によって、命を落としてしまう危険に晒されています」
ラカイン州北部の子どもたちの間の栄養不良率は、すでに緊急事態を指す基準値を超えていました。こうした子どもたちの状況は、国境を越える長い旅路とキャンプの生活環境によってさらに悪化しました。現在およそ2万6,000人が暮らすKutupalongキャンプは、食料も水も圧倒的に不足し、不衛生な生活環境、下痢や呼吸器系感染症の感染率の高さにも直面しています。はしかの症例も報告されています。
Kutupalong難民キャンプでの栄養調査は、ラカイン州北部で暴力が激化した8月25日以前に到着していた難民と以後に到着した難民と双方合わせて405世帯を対象に、10月22日から28日にかけて実施されました。
11月には、他の場所で2回の追加調査が予定されており、そのうちの1回は仮設居住区で行われる予定です。この3回の調査の結果によって、今後数カ月間に重度の急性栄養不良に陥る子どもの数を推定でき、緊急支援の指針となるでしょう。
© UNICEF/UN0141025/LeMoyne |
ユニセフはパートナー団体とともに、15カ所の治療センターで、2,000人以上の急性栄養不良の子どもたちを治療しており、さらに6カ所にセンターの新設を進めています。ユニセフはまた、保健分野のパートナーと協力して下痢や肺炎の子どもを見つけて治療しており、今月は予防接種と栄養検査キャンペーンを予定しています。
ベイグベデルは、「この非常に厳しい状況に置かれている子どもたちを治療し保護するために、人道支援機関はさらに多くのことを為さなければなりません。危機に対する関心を高める必要がありますし、さらに多くの活動資金も必要です。子どもたちは、今すぐにも、支援を必要としているのです」と強調しました。
ロヒンギャ危機への対応に国連全体で必要とされる4億3,400万米ドルのうち、現在までに集まった資金は32%に留まっています。
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