【2018年2月2日 ニューヨーク発】
2月6日の「国際女性性器切除(FGM)根絶の日」に向けて、ユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォアと国連人口基金(UNFPA)事務局長ナタリア・カネムは以下の共同声明を発表しました。
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© UNICEF/UN0140865/Mersha |
女性性器切除(FGM)にはさまざまな側面があります。感染症、病気、出産時の合併症、あるいは死の原因となる暴力的な行為。社会の中で最も脆弱で、力のない幼少期から15歳の女の子に、生涯にわたり精神的な傷を負わせ、食い物にする残忍な慣習。あまりに多くの地域での女の子と女性の地位の低さを反映し、固定化する人権侵害。コミュニティと経済の健全性の足を引っ張る行為。
しかし、これは終わらせることも出来るのです。
世界中で、FGMの根絶に向けた機運が高まっています。政治的な意志、コミュニティによる関与、そして重点的な投資が、この慣習を変え、生き方を変えているのです。
ユニセフやUNFPAがFGMの根絶に向けて協同する国々においては、この有害な慣習を受ける女の子の数は1997年の数に比べ3分の1減少しました。2008年以降、世界15カ国、約1万8,000のコミュニティの2,500万人以上が、この慣習を認めないことを宣言しました。世界的には、2000年頃以降、この慣習は約4分の1減少しました。
これは女の子と若い女性自身にとって良いことです。また、彼女らの家族やコミュニティにとっても良いことです。この慣習を受けていない女の子は、より健康に育ち、より健康な子どもを産む傾向があります。彼女たちの多くはより高い教育を受け、より高い収入を得て、より自分の人生を自分で決めることができるのです。この有害な慣習に立ち向かい、それを変えることを約束したコミュニティと国々は、それに見合った恩恵を得られるのです。
これが良いニュースです。しかし、FGMが根強い、いくつかの世界最貧国の人口動向は、私たちの進歩を後退させる脅威となっています。
© UNICEF/UN0140851/Mersha |
2030年には、FGMを慣習としている30の国々が、世界の出産数の3分の1以上を占めることになります。これらの国々で有害な慣習の脅威に晒される女の子の数が増加する中、彼女たちを保護するための前進を加速させなければ、2030年には何百万人もの女の子が切除されることになります。
これらの女の子たちを、すでにFGMに苦しんだ世界の2億人の女性と女の子に加えなければならないことは、決して受け入れられることではありません。FGMを受けた女性は、傷を負い、合併症に苦しみ、痛みと裏切られた過酷な記憶を抱え生きていくのです。女の子に対するこのような暴力を許す不平等な社会においては、女の子も、その家族も、コミュニティも、誰もが、経済的にも社会的にも恩恵を受けることはできません。
私たちは、これを変える方法を知っています。私たちは、FGMの問題に、政府、コミュニティ、家族が誠心誠意取り組んだ地域では、この慣習が急速に減少するのを目撃しています。そうした場所では、村々で社会的規範が問い直されました。医療専門家が団結してFGMに反対し、手術を拒否しました。この慣習を犯罪とする法が制定され、執行されました。より広く保健や教育、法的なサービスが受けられるようになり、持続的な変化が確かなものになりました。女の子や女性が、保護を受け、力を備えることで、自らの声をあげられるようになりました。
持続可能な開発目標(SDGs)は、FGMが、より公平で公正な、繁栄した世界に向けた進歩の妨げになると理解しています。SDGsは、2030年までにこの有害な慣習を完全に根絶するという野心的な目標を設定しました。
これは、人口増加とともに脅威に晒される女の子の数が増加していく傾向との闘いです。しかし、投資が拡大し、政治的決意が倍増し、コミュニティがより大きく関与し、より多くの女性たちと女の子たちが力をつけたならば、私たちはこの闘いに勝つことができます。勝つことができる闘いには、臨まなければならないのです。
今こそ、FGMを地球上から永久に葬る時です。これは私たちの共通の未来に向けた、私たち全員に課せられた任務です。
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