【2018年4月23日 ニューヨーク発】
ワクチンは、病気を予防し、子どもたちの命と健康を守ります。しかし、2016年には、推定140万人の5歳未満児が、ワクチンで予防できたはずの疾病が原因で命を落としました。5歳未満で亡くなった子どもの4人に1人は、肺炎、下痢症、あるいははしかが原因で、そのほとんどはワクチンの接種で予防できたはずです。世界の子どもの7人に1人にあたる1,900万人以上が定期予防接種を受けておらず、そのうち1,300万人は予防接種を1度も受けた事がなく、彼ら自身と地域を疾病と死のリスクに晒しています。予防接種率の低さは、母親と子どもにとって、他の保健分野での成果を台無しにするものです。予防接種を最も必要としている、最も貧しく、最も弱い立場にある子どもたちが、最も受けられない状況が続いています。
© UNICEF/UN0200253/Krishan |
ユニセフ(国連児童基金)とパートナー団体は、確実にすべての子どもたちの命が守られるように活動しています。しかし、予防接種が優先されなければ、社会から最も疎外されている子どもたちの中には、予防接種の恩恵を受ける権利を奪われ、生死を分けることになる可能性もあるのです。
このような困難に直面しつつも、ワクチンは今まで以上に多くの子どもたちを守っています。この驚異的な成功の陰には、子どもたちに予防接種をするために、恐怖や疑いの目を向けられながらも村々を廻る保健員たちの多大なる努力があります。
「昨年、ワクチンによって命を救われた子どもは推定300万人にのぼります。この300万人は最も遠い場所に暮らしていても、ジャングルや海を超え、何百マイルも歩いてワクチンを届けにきた何百万人もの現場で働く保健員のおかげで今を生きる、未来の医師、教師、芸術家、地域指導者、母親、父親です」とユニセフ本部予防接種部長のロビン・ナンディは述べました。「私たちは、命を守るために極めて危険な仕事を担っている無名の英雄たちを支援するために、今後も、紛争の影響を受ける地域も含め、現地政府当局と協力していきます」
© UNICEF/UN036355/Abubakar |
予防接種を受けていない子どもの3分の2は、脆弱な国あるいは紛争の影響を受ける国に暮らしています。2010年から2016年の間に、予防接種率(*注1)が最も低下したシリアでは38%低下し、2番目のウクライナでは33%低下しました。
© UNICEF/UN020678/Balasundaram |
ジフテリアは予防接種の効果でまれな病気となったものの、一部で再発生しています。ロヒンギャ難民の間の集団発生でジフテリアに感染した4人のうち3人が子どもで、ユニセフはバングラデシュ南部で何度か大規模な予防接種キャンペーンを通して、50万人近くの子どもに予防接種を提供しました。
*注1:予防接種率は、ジフテリア、破傷風、および百日咳3種混合ワクチンの予防接種を3回受け、生存している乳児の割合。
**注2:予防接種を受けていない子どもの割合は、ジフテリア、破傷風、および百日咳3種のワクチンの接種を必要とされる3回受けていない子どもの割合。
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■データに関して
本信で使用しているデータは、世界保健機関(WHO)とユニセフが推定した『国別予防接種率(2016年版)(national immunization coverage (2016 revision))』をもとにしています。
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