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日本ユニセフ協会
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ロヒンギャ危機/バングラデシュ
ユニセフ、モンスーンの季節に備え 洪水や地滑りのおそれ、子ども5万5,000人に影響

【2018年5月1日  ジュネーブ発】

本日、国連ジュネーブ事務所の定例記者ブリーフィングで、ユニセフ(国連児童基金)ジュネーブの広報官クリストフ・ブリエラックが報告した、バングラデシュにおけるロヒンギャの子どもたちの最新状況を抜粋してお伝えします。

* * *

子ども5万5,000人に影響

Rohingya children from Myanmar play on a bamboo bridge crossing a shallow body of water at high tide in Shamlapur refugee camp, Cox's Bazar District, Bangladesh on 19 April 2018. The Shamlapur camp, which sits just above the high tide line and extremely close to the open sea, is particularly susceptible to violent storms. Since an outbreak of violence began on 25 August 2017, hundreds of thousands of Rohingya people have sought refuge in neighboring Bangladesh. UNICEF and partners are working to provide for the needs of this enormous refugee population who will be all the more vulnerable during the upcoming monsoon and cyclone seasons.

© UNICEF/UN0203395/Sokol

竹の橋で遊ぶロヒンギャ難民の子どもたち。(2018年4月19日撮影)

モンスーンの季節を前にして、最も洪水の多い地域のひとつであるコックスバザールに雨が降り注いでいます。4月26日夜、嵐によって難民キャンプ内の仮設住居が破壊され、複数の世帯に影響が及びました。

昨日、雨の降る前の強い風や、嵐の最中にも関わらず、多くの子どもたちは居住する仮設住居の屋根の上に座り、ビニールの屋根が吹き飛ばないように押さえていました。

5万5,000人の子どもを含む10万人以上の人々が、洪水や地滑りの危険に直面していると推定します。雨の激しさによっては、この数がさらに20万人まで増える可能性もあります。

6月から9月まで続くモンスーンの季節の間、ロヒンギャの子どもたちの健康状態に広く影響が及びます。感染症、汚れた水や不衛生な環境、けがのリスクが高まり、急性の栄養不良によって既に免疫力が低下している子どもたちをさらに苦しめます。

ユニセフが支援する保健センターで、ジフテリアの予防接種を受ける男の子。(2017年12月撮影)

© UNICEF/UN0155470/Sujan

ユニセフが支援する保健センターで、ジフテリアの予防接種を受ける男の子。(2017年12月撮影)

【モンスーンによる影響と備え】

  • モンスーンの雨は、水と衛生環境に壊滅的な影響を与えるだろう。
  • 7727の掘り抜き井戸(tube well)の位置特定の結果、約半数(47%)の掘り抜き井戸と約3分の1(30%)のトイレが洪水や地滑りの影響を受けるリスクがあると推定されている。
  • ユニセフは、水と衛生における緊急の支援物資を事前に手配し、衛生・尊厳回復キットを補充し、トイレの撤去や建設を行っている。
  • モンスーンの雨により、子どもたちは命を守るための医療サービスを受けられなくなるおそれがある。
  • 洪水により、急性の水様性下痢症に苦しむ人々が増える可能性がある。ユニセフはパートナー団体とともに、今後3カ月間において、急性の水様性下痢症を治療するなど、約1万人の人々(55%が子ども)を支援する準備が整っている。
  • ユニセフは、下痢治療センターを新たに5カ所建設している。そのうち1カ所は既に開設され、2カ所は今週後半、残りの2カ所は5月末に開設される予定。さらに、医薬品も配置した。
  • キャンプや仮設住居区内でユニセフが支援する24の保健施設のうち少なくとも3カ所は洪水に遭うおそれがある。これにより、2万5,000人から3万人の人々に影響が及ぶ可能性があり、このうち半数は子どもである。
  • ユニセフはすでに10カ所の保健施設を設置し、25万人の人々がサービスを受けている。
  • バングラデシュ政府およびWHO(世界保健機関)と協働し、約100万人の人々を対象に、経口コレラワクチンの2回目の投与を5月6日から13日の間に実施することを計画している。
  • ロヒンギャ難民の子どもたちの栄養状態は、この季節に生じる特有のリスクによっても影響を受けるだろう。
  • ユニセフは、急性の栄養不良に苦しむすべての子どもたちが正確に特定され、赤いIDブレスレットによってコミュニティ毎に確実に管理されるようにする。
  • ユニセフとパートナー団体は、重度の急性栄養不良を専門に、6-59カ月の子ども3万5,000人を治療する用意がある。
  • 遠隔地におけるキャンプ居住人口に対し、統合された保健・栄養支援を実施するため、移動医療チームの一部として移動栄養チームを立ち上げた。
  • 治療用ミルク、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)、アモキシシリン (amoxicillin)を含む、不可欠な栄養治療品の在庫を大量に準備した。
  • 子どもたちは、洪水や地滑りにより、家族と離ればなれになるリスクもある。
  • ユニセフはパートナー団体とともに、影響の及んでいるキャンプにおける、主要な保護システムを強化した。氾濫原地域における、子どもにやさしい空間の物理的なインフラを強化した。
  • キャンプ内で実際に起こる可能性の高い、家族が離ればなれになることを防ぐための取り組みを継続している。これには、子どもがいなくなった時家族は何をすべきかをコミュニティに対して説明したり、25万本のプラスチック製の防水ブレスレットで個人を特定することが含まれる。さらに、いなくなった子どもについて家族がどこに報告すべきかを明確にし、家族と離ればなれになった子どもをサポートするために、訓練されたコミュニティ・ボランティアを配置することにも取り組んでいる。
  • 子どもたちは遊んだり勉強をするための大切な施設に通えなくなるリスクがある。
  • ユニセフは、キャンプおよび仮設住居地区双方において、学習センターのインフラを補強した。795の学習センターのうち、220カ所にリスクがあり、これにより2万3,000人の子どもたちに影響が及ぶおそれがある。

モンスーン時期の支援活動のために、1,000万米ドルを必要としていますが、これまでに確保できた資金は590万米ドルに留まっています。

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