【2018年5月4日 ジュネーブ発】
4年間以上におよぶウクライナ東部の紛争によって、教育システムに壊滅的被害が生じ、何百校もの学校が破壊され、損傷し、20万人の子どもたちが軍の影響下で学び、不安定な戦闘や不発弾による危険の中で暮らしていると、ユニセフ(国連児童基金)は本日述べました。
© UNICEF/UN0150817/Gilbertson VII Photo |
「子どもたちが学んでいる学校の壁は銃弾で穴が開き、窓辺には土嚢が積まれ、地下には爆弾シェルターがあり、校庭には砲弾や爆弾の破片が散らばっています」とユニセフ・ウクライナ事務所代表のジョバンナ・ バルベリスは述べました。「ウクライナ東部における教育システムは、4年間以上多方面から被害を受け続けています。紛争の各当事者は、国際人道法を尊重し、学校が子どもにとって安全に学べる場所であることを保障しなければなりません」
ウクライナ東部のコンタクト・ライン(接触線)沿いにある学校や幼稚園の近くに、基地や貯蔵設備、セキュリティ・チェックポイントなどの軍事施設があるため、子どもたちは危険に晒されています。このコンタクト・ラインは、政府統治地域と非政府支配地域とを分ける線で、この一帯は紛争が最も激しい地域です。
ユニセフがパートナー団体とともに調査・監視を行った結果、少なくとも8カ所は幼稚園や学校から500メートル以内の場所に軍あるいは武装勢力の施設があり、2カ所は数メートルしか離れていません。また、今年度が始まって以来、以前学校だった建物6棟が軍あるいは武装勢力によって占拠あるいは使用されています。
少なくとも45校の学校が、この16カ月の間に損傷を受けたか、あるいは破壊されました。紛争が始まってから、700校以上が損傷を受けています。
© UNICEF/UN0150833/Gilbertson VII Photo |
Krasnohorivkaの町にある第2中等学校は、砲撃により屋根や多くの教室が激しい損傷を受け、昨年5月に閉鎖したままです。「子どもたちは砲撃に対し非常に緊張しており、教師が子どもを落ち着かせようとしても難しいのです」「子どもは緊張状態にあり、ストレスを受けているため、それに耐えるのは困難です」とElena Mihatskaya校長先生は述べました。
ウクライナ東部全体において、ユニセフは何十万人もの子ども、若者や養育者に対し、心理社会的サポートや地雷回避教育を支援しています。また、損傷を受けた学校や幼稚園の修繕、教育キット、家具セットやスポーツ用品など必要な学用品の提供も行っています。
今年、ユニセフは、ウクライナ東部紛争の影響下にある子どもや家族への緊急人道支援を行うため、2,360万米ドルを要請しましたが、これまでに確保できた資金は、その15%にも達していません。
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