【2019年4月14日 ニューヨーク/ベイラ(モザンビーク)/ チマニマニ(ジンバブウェ)/リロングウェ(マラウイ)発】
サイクロン「イダイ」がモザンビーク、マラウイ、ジンバブエの一部に破壊をもたらしてから1カ月経った今も、少なくとも160万人の子どもが、保健、栄養、保護、教育、水と衛生の緊急支援を必要としているとユニセフ(国連児童基金)は本日発表しました。必要不可欠なサービスの中断がこれ以上長引けば、病気の集団感染や栄養不良が急増する恐れがあり、それらに最も罹りやすいのは子どもたちです。
© UNICEF/UN0291148/Gumulira |
モザンビークでは支援ニーズが極めて高い状態が続いており、100万人の子どもが支援を必要としています。マラウイでは44万3,000人以上、ジンバブエでは13万人と続きます。
モザンビークではサイクロン以降、すでにコレラの感染が4,600症例、マラリアの感染が7,500症例と急増しています。ユニセフは、サイクロンの影響により、主にモザンビークとマラウイで避難生活を余儀なくされ続けている13万人以上の子どもの社会サービスへのアクセスを懸念しています。モザンビークだけでも嵐で損壊した家が20万軒以上あります。
「密集した仮設住居など家から離れた場所で暮らす子どもたちは、病気、搾取や虐待などのリスクに晒されます」とサイクロンが通過した直後にベイラを訪問したユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは述べました。「復興への道のりは長いものになるでしょう。人道支援組織とパートナー団体がその道のりを支え続けていかなければなりません。私たちは、被災した子どもたちと家族が生き延び、そしてまた自分の足で歩いていけるように支援していく必要があるのです」
洪水の被害を受けた3カ国の水はおおかた引き、被災した家族も家に戻り始めています。しかし、家が損壊した何千もの家族は避難キャンプに暮らし続けています。収穫の数週間前の穀物が嵐に破壊されたために、食糧確保が重大な問題となっています。
© UNICEF/UN0299183/Oatway |
ユニセフとパートナー団体は、被災した子どもたちと家族が緊急に必要とする支援を提供しています。ユニセフがこれまでに実施した支援には以下のものが含まれます。
◆モザンビーク:
ユニセフはコレラ・ワクチン90万人分を提供して予防接種を実施し、子どもたちをマラリアから守るための蚊帳50万張を提供し、ベイラ市に暮らす50万人に対して水の供給の復旧を支援しました。今後数週間に、はしかの予防接種、回虫駆除およびビタミンA接種を促すキャンペーンを計画しています。ユニセフは、再定住地域に保健クリニック数カ所を設置することも支援しています。
◆マラウイ:
ユニセフは避難所に対して、給水トラック、トイレ、「子どもにやさしい空間」を提供し、移動診療チームと医薬品、教育とレクリエーションキット、ボランティア教員も支援しています。サイクロンがマラウイを襲ってから、ユニセフは5万3,000人に安全な飲み水を、5万1,000人にトイレを提供しました。
◆ジンバブエ:
ユニセフは、衛生用品の配布、水道の修復、衛生施設(トイレ)の復旧を実施。必要不可欠な保健および栄養物資の提供。パートナー団体と協力して「子どもにやさしい空間」で、弱い立場にある子どもに対して心理社会ケアを提供。また、水に起因する病気の予防に関する重要な情報を6万人以上に提供し、4月15日からは、ジンバブエ保健省、Child Care、および世界保健機関(WHO)と共に、48万人を対象としたコレラ予防接種キャンペーンを開始します。
ユニセフは今後9カ月間、モザンビーク、ジンバブエ、マラウイで嵐の影響を受けた子どもと家族に人道支援を提供するために1億2,200万米ドルの資金を必要としています。
【関連ページ】
シェアする