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日本ユニセフ協会
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インドネシア大気汚染
1,000万人近い子どもたちに被害 長引く森林火災、胎児への影響も懸念

【2019年9月23日  ジャカルタ(インドネシア)発】

ユニセフ(国連児童基金)は本日、カリマンタン(ボルネオ)島とスマトラ島の森林や泥炭地の火災による大気汚染で、1,000万人近くの子どもたちが被害を受けるリスクがあると発表しました。

長引く森林火災、胎児への影響も懸念

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© UNICEFIndonesia/2018/ShehzadNoorani

工事のための野焼きをしているところ。

特に幼い子どもの場合は、呼吸の速度が早く、身体的な防衛や免疫システムが発達段階のため、大気汚染に対しより影響を受けやすくなります。2019年7月から続いているこの山火事や煙害の影響を最も受ける地域に住んでいる5歳未満児は、240万人にのぼると推定されています。

ユニセフは、大気汚染の胎児への影響についても警告しています。調査結果によれば、深刻な大気汚染に晒された母親から生まれた赤ちゃんは、子宮内での発育が抑制され、低体重出生や早産の傾向が強くなります。

「汚染された大気は、インドネシアにとって深刻な問題であり、さらなる課題となっています」と、ユニセフ・インドネシア事務所代表のデボラ・コミニは述べています。「毎年、何百万人もの子どもたちが有害な大気を吸い、健康を脅かされ、それが原因で学校に行けなくなっています。また、これは身体や認知機能に一生続く被害を与えています」。

教育文化省によれば、空気の質の悪化によって被害を受けている学校は4万6,000校以上、780万人以上の生徒に影響が出ています。また、最も深刻な地域では、多くの学校が休校を余儀なくされ、子どもたちの学ぶ機会が奪われています。

インドネシアでは、森林や泥炭地の火災は乾期によく起きることです。しかし、今年の状況は、長引く干ばつや温暖化などのさまざまな要因により、悪化しています。

「有害な大気汚染に晒される可能性について、家族や子どもたちが正確な情報を受け取ることが極めて重要です。それによって、被害から身を守ることができます」と、コミニは語ります。

ユニセフは、インドネシア政府を支援し、この再発しつづける状況を緩和するための長期的な計画策定に、積極的に協力していきます。

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