【2019年10月25日 アンマン(ヨルダン)発】
ユニセフとパートナー団体は、アルホル(Al-Hol)やアリーシャ(A’reesha)の避難所やキャンプを含め、シリア北東部アル・ハサケ県の5歳未満の子どもたちおよそ23万人に対し、ポリオとはしかのワクチンを提供しました。
© UNICEF/UNI219061/Ahmad
シリアのアルホルキャンプで、経口ポリオワクチンの予防接種を受ける5歳のベーカーくん。(2019年10月17日撮影)
シリア北東部で起きた暴力によって、2週間にも満たない期間に、少なくとも8万人の子どもたちが家を追われ逃げざるを得ない状況になりました。
一方、4,000人近い子どもたちが、暴力から逃れてイラクに向かいました。彼らは、サヘラ(Sahela)とアルワリード(Al-Waleed)の国境地点からシリア国境を越えて、イラクのクルド人地域に入り、現在はイラク北部のドフク(Dohuk)のバルダラッシュ難民キャンプに身を寄せています。ユニセフの支援を受けたチームがパートナーと協力して、国境地点で子どもたちにポリオやはしかの予防接種を実施しています。現在までに2,790人の子どもがポリオの予防接種を受け、2,595人がはしかの予防接種を受けました。
「9年近くにおよぶ紛争により、シリアの子どもたちの予防接種率は、紛争前の80%から50%未満にまで急落しました」とユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表のテッド・チャイバンは述べました。「はしかやポリオを含む感染症のリスクが高い子どもたちに支援を届けることが非常に重要です」と付け加えました。
2013年には、14年ぶりにポリオの集団発生が起きた結果、シリアで子ども36人に、また翌年イラクで子ども2人に麻痺が起こりました。これに対し、パートナーとユニセフは、7カ国で合計2,500万人以上の子どもたちを対象に、地域史上最大のポリオ予防接種キャンペーンを複数回実施しました。それ以来、野生株ポリオウイルスの新しい症例は報告されていません。
【関連ページ】
シェアする
|トップページへ|先頭に戻る|