【2019年11月8日 ローマ(イタリア)発】
ユニセフ(国連児童基金)は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と国際移住機関(IOM)と共に本日発表した新しい報告書の中で、2014年から2018年の間におとなの同伴者のいない子どもとしてイタリアに到着し、18歳になった推定6万人の若い難民・移民たちには、きちんとおとなになっていくための継続的な支援が必要であると述べました。
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報告書『岐路に立って:イタリアで成人期を迎えるおとなの同伴者のいない子どもたち』(原題:At the crossroad:Unaccompanied and separated children in the transition to adulthood in Italy)は、難民・移民となった若者たちが18歳を迎える中で直面する、青年期からおとなへの移行、ある国での生活から違う国への移行、そして故郷を離れ危険な旅路で経験した心の痛みやトラウマを克服するための移行という、“三重の移行”に焦点を当てています。
「紛争や暴力から逃れた17歳の難民や移民と、同じ経験をしてきた18歳との違いはごくわずかです」と、イタリアで活動するユニセフ移民プログラム・コーディネーター、アンナ・リアッティは述べました。「年齢によって人為的に区別することが、何万人もの若者に対する継続的な支援を妨げ、その結果彼らは社会的な孤立、暴力、虐待、将来への不安といったリスクに晒されるのです」
本報告書は、若い難民・移民がおとなになる過程を阻む要因を概説しています。それには、法的文書を手に入れる手続きが複雑で時間がかかること、人種差別、教育や訓練を受けることや仕事を見つけることの難しさ、心に抱えたトラウマの克服や、特に女の子が直面する暴力のリスクなどが含まれます。
一方、人生の重要な時期にある若い難民や移民を支える要素には、仲間や保護者との良好な関係性、学校へのアクセス、職業訓練や雇用機会、さらに安全で適切な住居などがあります。
報告書の中で、3国連機関はイタリア当局と欧州委員会に対し以下の重要な提言をしています。
© UNICEF/UN0264448/De Luigi VII Photo |
【イタリア当局への提言】
【欧州委員会への提言】
2014年から2018年の間に、7万人以上の保護者の同伴のない子どもたちが海路でイタリアに到着し、その90%が15歳から17歳でした。過去5年間で少なくとも6万人が18歳になったと推定されています。
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