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日本ユニセフ協会
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ロヒンギャ難民危機から3年
閉鎖されたままの教育施設 46万人の子どもたちの生活に影響

【2020年8月24日  カトマンズ(ネパール)/ダッカ(バングラデシュ)発】

数十万人の人々がミャンマーでの暴力と迫害から逃れて3年、バングラデシュのコックスバザール地区では今、ロヒンギャ難民の子どもたちや家族が新たな課題に直面しています。非常に困難な状況にもかかわらず、難民の人々は、キャンプにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防・対策の取り組みに積極的に参加しています。

閉鎖されたままの教育施設

ロヒンギャ難民キャンプの学習センターが閉鎖されているため、母親と先生の助けを借りながら自宅で勉強する9歳のシェフカさん。(2020年6月撮影)

© UNICEF/UNI340770/

ロヒンギャ難民キャンプの学習センターが閉鎖されているため、母親と先生の助けを借りながら自宅で勉強する9歳のシェフカさん。(2020年6月撮影)

「ロヒンギャ難民の子どもたちと家族は、バングラデシュで避難生活を送っている間、並外れたレジリエンス(回復力)を示してきました。モンスーンによる豪雨やパンデミックによって状況が悪化し、想像を絶する困難な状況にもかかわらず、人々は毎日、強さ、勇気、忍耐とは何かということを私たちに教え続けてくれています」と、ユニセフ(国連児童基金)・南アジア地域事務所代表のジーン・ゴフは述べました。

COVID-19によって、コックスバザール地区に暮らす46万人以上のロヒンギャ難民の子どもたちの生活は混乱が続いています。キャンプ内の教育施設は、国内の他の地域と同様、3月以来閉鎖されています。約31万5,000人のロヒンギャ難民の子どもと若者が学習センターに通えずにいます。ユニセフとパートナー団体は、子どもたちが自宅で学べるようにするための取り組みを続けており、親や養育者を巻き込んで学習を支援し、ワークブックや視覚教材を提供しています。ロヒンギャのボランティア教師たちが中心的な役割を果たすとともに、COVID-19の健康と衛生に関するメッセージを伝えています。

最近の調査で、子どもの77パーセントが自宅で保護者主導のもと、学習活動に参加していることが分かりました。しかし、多くの親が読み書きをできないことなど、大きな課題も残っています。ユニセフは、子どもたちを教育や情報につないでおくための方法も、同時に模索し続けています。

「ロヒンギャ難民の子どもたちは、将来のために知識と技能を身につける機会を必要としています。それは、ひいては彼らが平和と安定に貢献できるようにもなるのです」(ゴフ)

難民の子どもたちの希望と夢を支えて

© UNICEF/UNI358184/Himu

COVID-19によるロックダウンにより娘のアイザちゃんに前回の予防接種を受けさせることができず、久しぶりにダッカのクリニックを訪れた親子。(2020年5月撮影)

ウイルスの蔓延を抑えるためキャンプに入る人道支援従事者が減る中、ユニセフやその他の人道支援組織は、重要なサービスを提供するための新たな方法を確立しました。ロヒンギャのボランティアたちとバングラデシュ人の職員が、これらの取り組みに不可欠であり、コミュニティに対し重要なサービスや、COVID-19から身を守るための情報を提供しています。

先月、ユニセフとパートナー団体は、家庭訪問を通じたビタミンA補給キャンペーンを開始しました。ロヒンギャのボランティアは、6カ月から5歳までの15万4,000人の子どもたちに手を差し伸べる上で重要な役割を果たしました。このキャンペーンは対象となった子どもたちの97パーセントをカバーしましたが、現在の状況とモンスーンの豪雨を考慮すると、驚くべき成果でした。

ミャンマーのロヒンギャの子どもたちが難民としてバングラデシュで暮らして4年目を迎えるにあたり、自発的で、安全で、尊厳があり、持続可能な帰還を確保するための取り組みをさらに強化しなければなりません。

ユニセフは、ロヒンギャの人々が最も必要としている時に保護と避難場所を提供してくれたバングラデシュ政府と同国の人々への感謝の気持ちをあらためて表明します。また、国際社会に対し、COVID-19によって支援ニーズがより一層切迫する中で、コックスバザールの難民とバングラデシュの人々のコミュニティへの寛大な支援を継続し、より良い未来のために難民の子どもたちの希望と夢を支えていくよう求めます。

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