【2020年10月20日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォアは、中央サヘル地域の人道状況に関する閣僚懇談会に際し、以下の声明を発表しました。
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© UNICEF/UNI337865/Haro |
現在、ブルキナファソ、マリ、ニジェールでは緊急人道支援を必要としている子どもたちが昨年の430万人から720万人に増加しています。
これらの国々は、情勢不安、暴力、極度の貧困、飢餓、そして今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)といういくつもの課題を抱え、子どもや若者たちの未来が危険にさらされています。アフリカや世界にとって多くの可能性を秘めている地域が、課題の多さからその未来を暗くしています。
これは移動の危機です。100万人以上の子どもたちが故郷を追われて避難しています。
また、栄養危機でもあります。290万人の子どもたちが消耗症に陥る危険にさらされており、今年に入ってから20パーセント増加しています。
水と衛生の危機はますます深刻化しており、670万人以上が支援を必要としています。
© UNICEF/UNI317114/Coulibaly |
そして教育の危機でもあります。2,000万人以上の子どもたちが現在学校に通えていません。この人数は、パンデミックが始まってから2倍以上に増えています。
これは保護の危機です。230万人の子どもたちが支援を必要としています。特に10代の女の子たちは、性的虐待や児童婚、妊娠などの被害を受けやすくなっています。そして、コミュニティ、学校、保健センター、家庭への武力攻撃は、人々の生活を悪夢のようなものにしています。
また、経済危機でもあり、社会支出が減少し、インフレ率が上昇し、人々は必需品のための支払いさえ厳しい状況です。
そして、人道支援機関にとってはアクセスの危機です。中央サヘルの子どもたちは緊急に支援を必要としていますが、彼らに手を差し伸べることは日に日に困難で危険なものになっています。
© UNICEF/UNI394865/Dejongh |
ユニセフは地域の主に現場で活動するクラスターパートナー(さまざまな組織や団体が支援する中で、支援の重複や不足を防ぐための調整を行うシステム)とともに、できる限りの支援を行っています。
例えば、今年だけでも、栄養クラスターのパートナーとともに36万4,000人の重度の栄養不良の子どもたちを治療しました。また、水と衛生パートナーと協力し、56万人以上の人々が飲み水、調理、衛生のための水を手に入れました。
国連組織として、人道支援パートナーを深く評価し、感謝しています。私たちはチームとして、中央サヘル全域で最も支援を必要としている子どもたちに手を差し伸べています。しかし、そのニーズは私たちの対応能力をはるかに超えています。この地域を危機から救うために、国際社会に向けて協力を呼びかけます。
支援において、私たちすべての機関は資金不足に陥っています。8月末現在、ブルキナファソ、マリ、ニジェールに必要な14億米ドルのうち、得られた資金はわずか39パーセントに留まります。資金の不足は、子どもたちが、必要とする栄養、保健、保護、教育、社会的保護、水と衛生設備を手にできない状態にあることを意味します。そしてまた、将来に向けてより強力なシステムを構築するための、中央サヘルの各国政府との取り組みが危険なほど行き詰っていることをも意味します。
© UNICEF/UNI394596/Dejongh |
ユニセフは、国際社会に向けて以下の取り組みへの協力を呼びかけます:
暴力は終わらせなければなりません。平和なくして、これらの国々に希望はありません。子どもたちのニーズに投資することは、3カ国の平和、社会的結束、そして永続的な発展にも投資することでもあります。今、団結し、この地域の子どもたちによりふさわしい未来を。
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