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日本ユニセフ協会
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COVAX
ワクチンの配分計画発表 インド血清研究所との長期供給契約

【2021年2月3日  ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアは、本日COVAXが発表した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの配分計画について、以下の通り発表しました。

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インド血清研究所と長期供給契約

コペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センターで保管している、使い捨て注射器。(デンマーク、2021年1月22日撮影)

© UNICEF/UN0403907/Asamoah

コペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センターで保管している、使い捨て注射器。(デンマーク、2021年1月22日撮影)

ユニセフは、本日COVAXが発表した配分計画の一端を担うことを誇りに思います。各国が今年上半期に供給を受けるワクチンの種類の情報を提供することで、各国がワクチン配布のための準備を進める助けになるでしょう。

もちろん、これはCOVAXによるワクチン配分の最初の一部に過ぎません。今後、さらに多くのワクチンが供給される見込みです。私たちは、今年上半期のCOVAXワクチンの需要を満たすための供給契約に引き続き取り組んでいきます。

それと関連して、良いニュースがいくつかあります。インド血清研究所(SII)とCOVID-19ワクチンの長期供給契約を締結し、英製薬会社アストラゼネカ製薬と米バイオ医薬品企業ノババックスからの技術移転によって2つのワクチン製品にアクセスできるようになりました。ユニセフは、汎米保健機構(PAHO)を含む調達パートナーとともに、約100カ国向けに最大11億回分のワクチンを、低・中所得国向けには1回あたり約3米ドルで入手できるようになります。これはCOVAXの出資国にとって大きな価値があり、COVAXの基本原則である、ワクチンを共同購入するための資源をプールすることで、可能な限り最良の取引に向け、一括して交渉することができることを証明しました。また、ワクチンの価格情報を共有することは、ユニセフの透明性へのコミットメントを反映したものでもあり、過去10年間、さまざまな商品の交渉価格を公表することでそれを実証してきました。今後も供給契約が締結された際には、供給者の同意を得た上で、関連する契約情報の詳細を引き続き公表していきます。そして、WHO(世界保健機関)によって承認されたワクチンについては、SIIとともに各国への配布に取り組みます。

ワクチンの初期展開を成功させるために

ニューデリーの病院にあるCOVID-19のワクチン。(インド、2021年1月16日撮影)

© UNICEF/UN0402684/Reddy

ニューデリーの病院にあるCOVID-19のワクチン。(インド、2021年1月16日撮影)

各国への配分が示されたことで、政府や公衆衛生の専門家は、史上最大規模のワクチン調達と供給事業の最前線で働く医療従事者に対し、COVID-19ワクチンの初期展開を成功させるために必要なステップを開始することができます。

ユニセフは、COVID-19に対する取り組みが加速する中で、初回のCOVID-19ワクチンの展開を全面的に支援する準備ができています。ユニセフの各国事務所は、政府がこの初期の配布を進める際に、ウルトラ・コールドチェーン(超低温でワクチンを管理する物流システム)を必要とするワクチンを受け取る準備が整うよう、政府を支援します。これには、医療・保健従事者がワクチンの保管や取り扱いの方法について十分な訓練を受けることも含まれます。これはきちんと行わなければなりません。ワクチンの大部分は、COVID-19の感染リスクに晒される危険が最も高い、都市部の保健・医療従事者のもとに届くことになります。

取り組みはすでに始まっています。例えば、ボスニア・ヘルツェゴビナは、ウルトラ・コールドチェーンでの保管が必要なファイザー社のワクチン供給を初期に受ける国の一つですが、ユニセフは同国に対し、最高マイナス80度の超低温状態でワクチンを保管できる冷凍庫計8台を提供します。

注射器やセーフティボックスを備蓄

首都カラカスにある国のワクチン保管倉庫のコールドルームで、ワクチンの温度確認をするユニセフのスタッフ。(ベネズエラ、2020年11月撮影)

© UNICEF/UN0373290/Vera

首都カラカスにある国のワクチン保管倉庫のコールドルームで、ワクチンの温度確認をするユニセフのスタッフ。(ベネズエラ、2020年11月撮影)

ユニセフはこの数カ月の間、5億本の注射器と、接種後に注射器を安全に廃棄するためのセーフティボックスを備蓄し準備してきました。そして、航空会社やその他のパートナーと緊密に連携し、必要なロジスティックス(物資輸送・供給)支援と計画の手配がすべて整っていることを確認してきました。また、政府やパートナーが国家計画を策定してその物流システムを評価することを支援しています。これには、ワクチンの輸送に先立ち、保健施設やコールドチェーンの計画、調整、予算編成、準備を支援することも含まれます。また、WHOやGAVIアライアンスとともに、各国のワクチンの展開計画を改善するためのアドバイスも行っています。

本日発表された計画は、次の重要なステップを示すものです。初回ワクチンの供給をこれから受ける国々にとっては、準備を実行に移すことができます。

そして、すでにワクチンの接種を開始している国やまだ開始していない国にとっても、この情報は、ここから抜け出すための希望を指し示す道となるでしょう。

 

注記:

ユニセフがボスニア・ヘルツェゴビナに提供した、最高マイナス80度の超低温状態でワクチンを保管できる冷凍庫計8台のうち、最初に届けられた2台の冷凍庫は日本企業であるPHCホールディングス株式会社傘下のPHCヨーロッパ有限会社から調達されたものです。残りの冷凍庫についても、できる限り早く配布される見込みです。

COVAXファシリティによる本計画で、18カ国が、米国のファイザー社とドイツのバイオンテック社が共同開発したワクチン120万回分の供給を最初に受けることになります。その18カ国は、ブータン、ボリビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カーボベルデ、コロンビア、エルサルバドル、ジョージア、モルディブ、モルドバ、モンゴル、ペルー、フィリピン、韓国、ルワンダ、南アフリカ、チュニジア、ウクライナ、ヨルダン川西岸地区とガザです。

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