【2021年2月12日 アディスアベバ(エチオピア)/ナイロビ(ケニア)/ジュネーブ/ニューヨーク発】
エチオピアのティグライ州の危機的状況にある人々のもとへ、さらに多くの物資が届き緊急支援チームが到着するにつれ、子どもたちへの影響がいかに深刻で継続的なものであるか、その憂慮される状況が明らかになってきました。
© UNICEF/UN0413689/Leul Kinfu |
2月4日から7日の間に、地域保健局長を伴ったユニセフ(国連児童基金)の支援チームは6台のトラックに122トンの緊急物資を積み込み、ティグライ州の州都メケレから中央部の町シレに移動しました。これは、2020年11月4日に紛争が起きて以来、シレへの初めての国連ミッションとなります。
約17万人が暮らすシレは、現在少なくとも5万2,000人の国内避難民を受け入れており、このミッション中も毎日多くの人々が到着しました。町の浄水場は機能していないため飲料水がなく、ユニセフと赤十字国際委員会(ICRC)は、住民と国内避難民にトラックで水を運んでいます。使われていない学校にたくさんの国内避難民が避難しており、避難場所は悲惨な状況です。数少ないトイレは壊れており、シャワーがなく、安全な水もほとんどありません。
多くの人々は避難中に離ればなれになり、国内避難民の中にはおとなの同伴者のいない、もしくは親と離ればなれになってしまった子どもたちがたくさんいました。多くの人が深い心理社会的苦痛を訴え、家に帰ることが安全だとは感じられないと述べ、現在そして将来の影響に対して考えると、このままずっと続いていくような恐怖感があると語りました。
© UNICEF/UN0412741/Ayene |
シレの病院は一部運営されていました。 4つの保健センターのうち2つが外来および妊産婦サービスを提供しており、1つの保健施設が一部の予防接種を再開しました。スタッフは給与の一部を受け取っています。 町の中心部の外では、7つの農村部の医療施設のうち1つだけが機能していました。他の施設は被害を受けたり略奪されたりしており、スタッフは逃げていました。予防接種は3カ月前に停止しており、町のワクチンの在庫はすべて停電による被害を受けました。電気は復旧しましたが、依然として停電が多発しています。
国内避難民は、最も緊急に必要としているのは食料だと話します。パートナーが実施したある調査では、重度の急性栄養不良の比率は2.1%であることが分かりました。これは、特にコレラ、下痢、はしかなどの病気が併発した場合には、特に命に関わる可能性があるもので、世界保健機関(WHO)が緊急事態とする基準値を上回っています。水、衛生設備、保健医療サービスへのアクセスの悪さ、食料不安の高まり、食料価格の高騰と相まって、病気の発生という非常に現実的なリスクが、栄養不良の子どもたちに深刻な脅威をもたらしています。
モバイルネットワーク、インターネット、銀行サービスはまだ機能していません。
© UNICEF/UN0412581/Leul Kinfu |
ユニセフは、緊急医療キット、栄養治療食、高エネルギービスケット、個人用防護具(PPE)など、655トンの物資を輸送しており、さらに多くの物資が準備されています。1月末の時点で、エチオピア政府や、ティグライ州および近隣地域の他のパートナーと協力して、ユニセフが行っているその他の分野の緊急支援は次の通りです。
ティグライ州の危機が子どもたち、そして彼らにとってなくてはならないシステムとサービスの一部への影響を見れば、子どもたちが保護と支援を切実に必要としていることは明らかです。重要なことは、本当に必要性がある場所で人道支援が行われることです。主要な都市や町を越えて、人口の大部分が住む農村地域に支援が行き届く必要があります。
何よりも、子どもたちが危害から守られなければなりません。
【関連ページ】
シェアする