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日本ユニセフ協会
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ラテンアメリカとカリブ海諸国
対面授業なし、今も1億人以上 300万人が退学の可能性

【2021年3月24日  パナマシティ(パナマ)発】

ユニセフ(国連児童基金)の最新の推計によると、ラテンアメリカとカリブ海諸国地域では、学校の完全休校や部分的な休校により、現在も約1億1,400万人の生徒たちが対面授業を受けることができずにいます。

平均158日分の対面授業の機会失う

インスタレーション「パンデミック教室」(Pandemic Classroom) (2021年3月23日撮影)

© UNICEF/UN0431687/Schverdfinger

インスタレーション「パンデミック教室」(Pandemic Classroom) (2021年3月23日撮影)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの発生から1年が経過した現在も、ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域は、対面授業を受けられない子どもの数が世界で最も多い地域です。この地域の子どもたちは、平均して158日分の対面授業の機会を失っています。

これまでに、この地域で学校が完全に開校したのは7カ国のみです。12の国と地域では、学校が完全に閉鎖されたままです。その他の国では、学校が一部閉鎖されています。

政府は、オンラインツールやラジオ、テレビを通じた遠隔教育の継続性を確保しようと努力していますが、学校教育の中断は、生徒の学習成果、保護、保健、メンタルヘルス、そして将来の社会経済的見通しに壊滅的な影響を与えています。

300万人が退学の可能性

自宅で数学のオンライン授業を受ける12歳のホアキンくん。(ボリビア、2020年7月撮影)

© UNICEF/UNI354548/Andrade

自宅で数学のオンライン授業を受ける12歳のホアキンくん。(ボリビア、2020年7月撮影)

ユニセフ・ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務所代表のジーン・ゴフは、「これほど多くの子どもたちが、対面授業を受けられずにいる地域は、世界のどこにもありません」と述べました。「これは、この地域の近代史において直面した最悪の教育危機です。対面授業のない日が続けば、最も弱い立場にある子どもたちは、学校をやめてしまうリスクに晒されます」

学校に行かない期間が長ければ長いほど、子どもたちが学校に戻る可能性は低くなります。この地域では、300万人以上の子どもたちがパンデミックのために学校を退学する可能性があると推定されています。

世界銀行の最近の報告書によると、ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域の前期中等教育を受けている生徒の71%が、中程度の長さの文章を理解できない可能性があるとのことです。パンデミック以前は、この数字は55%でした。この割合は、あと3カ月間休校が続くと、77%にまで上昇する可能性があります。

学校の閉鎖は最後の手段

パレンシア(Palencia)の自宅で宿題をする11歳のジャスティンくんと8歳のメラニさん。(グアテマラ、2020年4月撮影)

© UNICEF/UNI328540/Volpe

パレンシア(Palencia)の自宅で宿題をする11歳のジャスティンくんと8歳のメラニさん。(グアテマラ、2020年4月撮影)

休校中、地域の24カ国の約4,500万人の生徒がユニセフによる遠隔教育プログラムの支援を受け、900万人の子ども、親、養育者がコミュニティでメンタルヘルスや心理社会的支援を受けています。

「遠隔教育プログラムを継続し、より多くの子どもたちに届けるために規模を拡大する必要があります。しかし、遠隔教育は、特に最も厳しい状況の子どもたちにとって、教室で先生と対面して行う授業の代わりにはなりません。私たちは、すべての学校が一斉に再開されることを求めているのではありません。学校は最優先で再開され、また学校の閉鎖は最後の手段であるよう訴えているのです。ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域のいくつかの国は、緊急かつ段階的な学校再開を優先することで大きな前進を遂げました。他の国々も、そのあとを追って同じ道筋を進むときです」

先週、中米諸国とドミニカ共和国の教育大臣は、学校の緊急かつ段階的再開を優先することを約束しました。ユニセフは、この画期的な決定を称賛するとともに、ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域の他の国々の教育当局にも同様の取り組みを呼びかけています。

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