【2021年3月26日 コペンハーゲン(コペンハーゲン)発】
© UNICEF-Asamoah |
ユニセフ(国連児童基金)物資供給部門で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの物流全体を統括するムニール・ブアザール(Mounir Bouazar)が、COVAXに参加する低・中所得国にワクチンを届ける取り組みについて話しました。
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ユニセフの物資供給部門に7年前から所属しています。現在の私の仕事は、COVID-19ワクチンや関連物資を、ワクチン製造業者や、コペンハーゲン、ドバイ、パナマシティ、上海にあるユニセフの物資拠点から、空路、海路、陸路のいずれかによって各国に確実に届けることです。
COVAXを通じ、COVID-19ワクチンの国際輸送を受けた最初の国であるガーナに、ワクチンと注射器の輸送を手配しました。ワクチンはインドのムンバイで、注射器はアラブ首長国連邦のドバイの倉庫でそれぞれ準備されていたことを考えると、出荷を迅速に行うための調整は非常に困難でしたが、2〜3日の猶予しかありませんでした。最終的には、上海からドバイに向かう便を見つけ、ユニセフがワクチンを受け取るために、例外的にムンバイを経由してもらうことができました。その後、ドバイに立ち寄って、ガーナ行きの別便にワクチンと注射器を積み込みました。製造業者、物流会社、航空会社、そして国務省との調整を経て、72時間以内に実現できたことは大きな成果です。製造業者はスケジュールを急ぎ、航空会社は解決策を考え、貨物輸送会社はそのフライトをユニセフに無償で提供してくれました。
© UNICEF/UN0421823/COVAX/Emmanual Yogini |
大きく分けて3つの課題があります。1つ目は、少なくとも最初の数カ月間は、極端な供給能力の制約を受けることです。2つ目は、ワクチンを待つ国の多さです。ユニセフが届けるワクチンや注射器、その他の関連物資に頼っている国は100カ国以上あります。現在、COVID-19の影響で航空貨物の輸送能力が低下しているため、さらに困難な状況となっています。また、ワクチンの輸送・保管にはコールドチェーンが必要であり、輸送可能な時間や常時保管しなければならない温度の範囲など、非常に厳しい規制に従わなければなりません。
3つ目の課題は、それら100カ国以上に向けて、現実的なスケジュールを提示し、各国の希望を把握し、何が起きているのかを常に知らせなければならないことです。
ユニセフはこれまでにも、紛争や自然災害に起因する緊急事態、さらには多くの国々に影響を及ぼした、エボラ出血熱のような地域的な危機に対処してきましたが、COVAXの特徴として、取り組みの規模が非常に大きいことがあります。COVID-19の各国での対応におけるロジスティクスを担当していた際は、個人用防護具(PPE)、診断薬、酸素濃縮器などすべての物資を提供していましたが、少なくともほとんどの物資は、物資支援の拠点となる倉庫で一元管理していました。しかし、これはグローバルなサプライチェーンの話です。インド、ヨーロッパ、そして今後数カ月のうちには世界各地の製造業者から供給される可能性もあります。製造業者のサプライチェーンとの調整に加え、コールドチェーンに関連する制約、COVID-19による航空貨物市場への影響、そして何よりCOVAXの対象範囲の大きさによって、史上最も複雑な物流の一つになっていると思います。
しかし、様々な課題があるにも関わらず、ユニセフは目標を達成してきています。COVAXを代表しワクチンを配送し始めて3週間が経ちましたが、21日間で1,900万回分以上のワクチンを41カ国に届けました。
今回、ご寄付や商業支援、サービスの提供、プロボノ活動のための人材派遣など、様々な形で協力を申し出てくださる企業や団体が多くあります。例えば、ワクチンやその他の物資を世界で確実に輸送するための「人道航空貨物イニシアチブ」を立ち上げたところ、すぐに20社以上の航空会社から参加の申し出をいただきました。
今、私たちが目にしているのは、COVID-19ワクチンを世界に届けるという同じ目的に向かって協力してくださる多くのパートナーからの真の熱意です。この歴史的な瞬間に立ち会えたことは、非常に素晴らしいことであり、本当に光栄に思っています。
© UNICEF/UN0421454/Kokoroko |
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