【2021年4月26日 ジュネーブ/ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)、世界保健機関(WHO)、GAVIアライアンスは、4月24日~30日の世界予防接種週間に際し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって中断した予防接種サービスが再開し始めている一方で、何百万人もの子どもたちが、依然として命を奪う病気にかかるリスクに晒されていることに警鐘を鳴らし、予防接種へのアクセスと接種率を向上させるための世界的な取り組みが緊急に必要であることを強調しました。
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WHOの調査によると、2020年の状況と比較すると改善が見られるにも関わらず、回答国の3分の1以上(37%)では依然として定期予防接種サービスが中断しています。
大規模な予防接種キャンペーンも中断しています。新しいデータによると、現在、50カ国で60の予防接種キャンペーンが延期されており、約2億2,800万人(大部分が子ども)が、はしか、黄熱病、ポリオなどの感染症のリスクに晒されています。影響を受けている50カ国のうち半数以上がアフリカで、重要な予防接種サービスへのアクセスにおける格差は長期化することが浮き彫りになっています。
最も影響を受けているのは、最も感染力の強い病気の一つであり、予防接種を受けていない人々の間で大規模な流行を引き起こす恐れのある「はしか」の予防接種です。延期されたキャンペーンのうち23件がはしかのキャンペーンで、推定1億4,000万人に影響が及んでいます。現在、多くの予防接種事業が1年以上延期されています。
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「パンデミックが起こる前から、予防可能な子どもの病気との闘いにおいて、2,000万人の子どもたちが重要な予防接種を受けられずにいるという心配な兆候がみられました」と、ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「パンデミックによって、何百万人もの子どもたちが予防接種を受けられないという状況がさらに深刻化しています。ワクチンが人々の関心事である今、この意識を持続させ、すべての子どもたちがはしか、ポリオ、その他のワクチンの接種を受けられるようにしなければなりません。時間を無駄にはできないのです」
予防接種率が低いために、コンゴ民主共和国、パキスタン、イエメンなどでは深刻なはしかの流行が報告されています。これらの流行は、紛争やCOVID-19への対応でサービスが中断している地域で発生しています。
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これらの課題に取り組み、パンデミックからの回復を支援するため、ユニセフ、WHO、GAVIアライアンスおよびその他のパートナーは、本日「予防接種アジェンダ2030」(IA2030)を発表しました。
このアジェンダは、乳幼児期から青年期、その後の期間まで、生涯を通じた予防接種に焦点を当てています。完全に実行されれば、WHOによると推定5,000万人の死亡を回避することができます(そのうち75%は低・中所得国で発生)。
2030年までに達成すべき目標は以下の通りです。
© UNICEF/UN0419354/Dejongh |
IA2030の壮大な目標を達成するために、ユニセフ、WHO、GAVIアライアンスおよびパートナーは、以下を行動に移すことを求めています。
(注) ジフテリア・破傷風・百日咳3種混合ワクチン3回、はしか2回、HPV、肺炎球菌ワクチン3回を含む。
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