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日本ユニセフ協会
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新型コロナウイルス
新規感染者の半数を占める南アジア 止めなければ世界の脅威に、ユニセフ警鐘

【2021年5月4日  カトマンズ(ネパール)ニューヨーク/コペンハーゲン/ドバイ/カトマンズ発】

ユニセフ(国連児童基金)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急拡大が続くインドに向けて、先月までに輸送した酸素濃縮器、検査装置、医療キット等に加え、200万枚のフェイスシールドと20万枚のサージカルマスクを含む、命を守るための重要な追加物資を送りました。

新規感染者の半数を占める南アジア

ウッタル・プラデーシュ州で、呼吸困難になり酸素マスクをつける患者。(インド、2021年5月2日撮影)

© UNICEF/UN0456953/Singh

ウッタル・プラデーシュ州で、呼吸困難になり酸素マスクをつける患者。(インド、2021年5月2日撮影)

これはユニセフがグローバルパートナーシップを結ぶDP World社による港湾、鉄道、トラック輸送、倉庫を含めた物流サービス支援により実現したもので、ドバイにあるユニセフの物流拠点からニューデリーまで、支援物資が無償で輸送されます。

ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは、「インドの悲劇的な状況は、私たち全員に警鐘を鳴らしています。世界が今、インドを支援しなければ、ウイルスによる死亡者数、ウイルスの変異、供給の遅れなどの影響が、地域や世界に及ぶでしょう。すべてのパートナーの支援が、かつてないほど重要になっています」と述べました。

一方、COVID-19感染の急拡大は、インドのみならず南アジア地域全体で進んでいます。

  • 南アジア地域のCOVID-19感染者数が驚異的な勢いで増加しており、この地域は現在、世界の新規感染者数のほぼ半数(49%)を占めています。(5月4日現在)
  • ネパールは現在、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す実効再生産数が世界で最も高く(5月2日時点で1.97)、子どもや若者の感染者が25%急増していると報告されています。
  • スリランカでは、1日あたりの新規感染者数がかつてないほど増加しており(5月3日時点で約2,000人)このまま歯止めが効かなかった場合、今後数週間で1日の感染者数が10倍になると予測されています。
  • モルディブでも、感染者数がかつてないほどのピークを迎えています。小さな島国であるモルディブは、人口100万人あたりの1日の感染者数が世界で最も多い国のひとつです。
  • 南アジアのほとんどの国ではワクチンの接種率が非常に低く(インド、スリランカ、ネパールでは10%未満)、感染がさらに拡大することが懸念されています。

止めなければ世界の脅威に

中北部にあるゴルカ郡の保健センターでCOVID-19の予防接種を受ける医療従事者。(ネパール、2021年4月21日撮影)

© UNICEF/UN0447316/Prasad Ngakhusi

中北部にあるゴルカ郡の保健センターでCOVID-19の予防接種を受ける医療従事者。(ネパール、2021年4月21日撮影)

こうした状況を受け、ユニセフ・南アジア地域事務所代表のジョージ・ラリア・アジェイは強い危機感を訴えています。「南アジアで目の当たりにしている光景は、この地域がこれまでに経験したことのないものです。医療システムが限界に達し、さらに多くの人命を失う可能性に直面しています。各国政府はこの惨状を食い止めるために全力を尽くさなければならず、支援を差し伸べることができるパートナーは直ちに行動を起こすべきです。南アジアの感染拡大は、私たちすべてを脅かします。一刻も早く食い止めなければ、パンデミックに対する世界の努力が水泡に帰す可能性があります。

同時に、私たち一人ひとりの責任も忘れてはいけません。私たちが下すすべての決断は、このパンデミックの流れを変え、私たちの周りの人々の命を守ることも危険に晒すこともできるのです。これまで以上に、マスクの着用、石けんを使った手洗い、物理的な距離の確保、機会があればワクチンの接種などに取り組まなければなりません。

このような危機的な状況において、最も影響を受けるのは、最も弱い立場にある子どもたちとその家族です。2020年には、パンデミックによって南アジアにおいて必要不可欠な公衆衛生サービスが大幅に削減された結果、推定22万8,000人の子どもと1万1,000人の母親の命が失われました。このような事態を二度と起こしてはならないのです。ウイルスに国境はありません。私たちは今、グローバルコミュニティとして団結し、この惨状を食い止め、子どもたちを守らなければなりません」(ラリア・アジェイ代表)

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