【2021年5月21日 ジュネーブ発】
停戦が発効したパレスチナ・イスラエルの衝突について、国連の定例記者会見においてユニセフ(国連児童基金)・パレスチナ事務所特別代表のルシア・エルミが行った報告の概要は以下の通りです。
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© UNICEF/UN0464417/El Baba |
甚大な人的被害をもたらしたガザ地区における衝突の停戦合意が、今朝2時に発効したことをユニセフは歓迎しています。また、東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区で続く暴力とその原因について、一刻も早く解決策が見出されることを願っています。
この11日間で、パレスチナの子ども少なくとも65人が死亡し、540人が負傷したと報告されています。イスラエルでは、子ども2人が死亡、60人が負傷したとされています。
これらは単なる数字ではありません。彼らはみな、世界中の他の子どもたちと同様に、夢や希望を持っていました。しかしその人生は、彼らの未来とともに切り捨てられてしまったのです。
© UNICEF/UN0463022/El Baba |
現在、10万7,000人近い人々が、安全を求めて、急遽、家を離れざるを得なくなっています。避難した人々のうち9,000世帯以上が、ガザ地区にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営している学校58校に避難しており、残りは家族や友人のもとに身を寄せています。
ガザ地区の子どもたちは、今回の紛争以前から非常に困難な状況にありました。今回の衝突がこれまでの人生で経験する4度目の紛争である子どももいます。現在の一連の衝突以前から、3人に1人の子どもがメンタルヘルスや心理社会的支援を必要としており、そうした子どもの数は間違いなく、この数日間で著しく増加しています。
こうした深刻な人的被害に加えて、今回の暴力がガザ地区の基本的な生活インフラに与えている被害も甚大です。少なくとも50の教育施設と20の保健・医療施設が損傷しました。水道網の約50パーセントが被害を受けています。井戸や貯水池、海水淡水化プラント、廃水プラント、配水網、ポンプ場など、いずれも大きな被害を受けているため、80万人近くが水道水を利用できず、子どもたちが水に起因する病気にかかる危険性があります。
© UNICEF/UN0464404/El Baba |
ユニセフは、40年以上にわたってガザ地区で活動してきました。他の人道支援パートナーとともに、今回の危機においても、子どもたちや家族の高まるニーズに対応しています。
いま必要なのは、すべての当事者による永続的な停戦であり、子どもたちとその未来のために、70年に及ぶ紛争を長期的かつ平和的に解決することです。どのような政治的解決に至ったとしても、すべての子どもたちにとって耐えがたい過去に戻ることがあってはなりません。
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