【2021年6月15日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアとタンザニア前大統領で世界水パートナーシップ南部アフリカ地域議長のジャカヤ・キクウェテは共同で、アフリカの水の安全保障に関する行動を呼びかけました。
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© UNICEF/UN0441903/Prinsloo |
アフリカでは2億2,000万人以上の子どもとその家族が、水を安定して得られない状況に陥っています。その影響は極めて大きく、東部・南部アフリカでは58%、西部・中部アフリカでは31%の子どもたちが、水に対する脆弱性が高い、あるいは極めて高い地域で暮らしています。こうした子どもたちは、水を汲むために学校を休む可能性が高く、また干ばつや洪水で農作物の生産が被害を受ければ栄養不良や消耗症に陥りやすくなります。さらに、衛生的な環境や安全な水がないため、伝染病や感染症が広がれば、病気になる可能性が高くなります。
水不安は、子どもたちの健康と幸福に影響を与えるだけでなく、経済成長を妨げ、人々は移動を余儀なくされます。気候変動が予測不可能な異常気象をもたらし、また人口増加によって水の需要と競争が増大し、状況は今後も悪化していくでしょう。
© UNICEF/UNI308044/Schermbrucker |
アフリカにおいて、気候変動に強い水インフラへの投資は、人々が水を安定的に得るために必要な水準をはるかに下回っているという現実があります。アフリカ開発銀行は、すべての人のための水の安全保障を謳う「アフリカ水ビジョン2025年」を実現するためには、年間640億ドルの投資が必要であると試算していますが、実際の投資額は年間100~190億米ドルにとどまっています。
ユニセフと世界水パートナーシップは、「第14回欧州開発デーズ」の開催に際し、各国政府、開発機関、ドナー、企業、市民社会に対し、アフリカにおける気候変動に強い水と衛生サービスへの投資を加速させる緊急ニーズへの協力を呼びかけています。
気候変動に強い持続可能な水・衛生サービスへの投資の加速に協力することは、アフリカの水の安全保障を確かなものにするだけでなく、現在も将来的にも、平和で発展的、より強靭で公平なアフリカをつくるために貢献する機会となります。
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