【2021年7月13日 パリ/ニューヨーク/ワシントンD.C.発】
ユニセフ(国連児童基金)、国連教育科学文化機関(ユネスコ)、世界銀行、OECDが世界規模で実施した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による学校閉鎖に対する国の対応に関する調査(Survey on National Education Responses to COVID-19 School Closures)」によると、学校が閉鎖されている、または閉鎖されたことのある国の約3分の1が、COVID-19による学校閉鎖後の補習プログラムを現在も実施していないことがわかりました。一方で、小中学校での学習損失を測るために取り組んでいる国は全体の3分の1にとどまっており、そのほとんどが高所得国です。
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低・中所得国の中で、すべての生徒が対面式教育に戻ったと報告した国は3分の1に満たず、学習の損失や中途退学のリスクが高まっています。しかし、大多数の国では、生徒の復学を促すために、コミュニティを巻き込んだり、学校単位での追跡調査を行ったり、水・衛生設備の改善、経済的なインセンティブ、アクセスポリシーの見直しなど、少なくとも1つの対策を行っていると報告しています。
本調査では、各国が学習損失をどのようにモニタリングし、軽減しているか、学校再開における問題にどのように取り組んでいるか、遠隔教育戦略をどのように展開しているかを記録しています。今回の調査には142カ国から回答があり、2021年2月から5月までの期間の、就学前教育、初等教育(小学校)、前期中等教育(中学校)、後期中等教育(高等学校)の状況をカバーしています。
「遠隔教育は、世界中の多くの子どもたちにとって、学校が閉鎖されている間の生命線となっています。しかし、最も弱い立場にある子どもたちにとっては、それさえも手の届かないものでした。今、すべての子どもたちを教室に戻すことが急務です。しかし、それだけでは終わりません。学校をより良い形で再開するということは、子どもたちの学習を軌道に乗せるための補習プログラムを実施することであり、すべての取り組みにおいて、確実に女の子や厳しい状況の子どもたちを優先することです」と、ユニセフの教育担当グローバルチーフであるロバート・ジェンキンスは述べました。
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今回の調査で得られた主な結果は以下の通りです。
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今回の調査では、パンデミック発生から1年以上が経過した時点での、遠隔教育や関連する支援の展開と効果についても明らかになりました。結果は以下の通りです。
2020年、世界の学校は、就学前教育から高校までのすべてのレベルにおいて、平均79日間の授業を完全に休講しており、これはOECDおよびG20諸国の平均した総授業日数のおよそ40%に相当します。この数字は、高所得国では53日間、低中所得国では115日間でした。
補足:
本調査は、ユネスコ統計局(UIS)とOECDが各国の教育省関係者に情報提供を求めた「COVID-19による学校閉鎖に対する国の対応に関する調査」の第3回目で、7月13日に開催されるグローバル教育会合の閣僚級会合で発表されます。この調査は、ユニセフ、世界銀行、ユネスコの「グローバル教育モニタリング・レポート」と共同で、「教育のためのグローバル・パートナーシップ(GPE)」からの資金援助を受けて実施されました。
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