【2021年7月23日 ベイルート(レバノン)発】
レバノンでは、100万人の難民を含む400万人以上の人々が、安全な水を利用できなくなるかもしれない状況に置かれています。経済危機が急速に深刻化し、資金や燃料、塩素や予備部品などの物資が不足していることから、ユニセフ(国連児童基金)は今後4~6週間以内にはレバノン国内の大部分の給水ポンプが徐々に停止すると予測しています。
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ユニセフ・レバノン事務所代表の杢尾雪絵は、「この国の経済危機により、給水システムは非常に圧迫されており、維持費のドル化、無収水による水の損失、並行して発生した送電網の崩壊や燃料費の高騰により機能しなくなっています。公共の水道が使えない場合、各家庭は基本的な水やトイレ、衛生環境などに関して非常に厳しい決断を迫られる可能性があります」と述べました。
公共の給水システムが崩壊した場合、代替となる民間の水道業者などから水を確保すると、毎月の水にかかる料金は200%跳ね上がる可能性があるとユニセフは予測しています。特に厳しい状況にある多くの世帯にとって、この費用は月平均収入の263%に相当し、耐えられない負担となります。
以下は2021年5月と6月にレバノン国内の主要な水道事業者4社が収集したデータに基づいた、ユニセフの評価です。
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「夏の盛りに、デルタ株の影響で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例が再び増加し始めている中、人々の命を支えているレバノンの貴重な公共水道システムは、いつ崩壊してもおかしくない状況です。早急な対策が講じられなければ、病院や学校、必要不可欠な公共施設が機能しなくなり、400万人以上の人々が安全でなく高価な水に頼らざるを得なくなり、子どもたちの健康や衛生が危険に晒されることになります」(杢尾)
ユニセフは、全国400万人以上の人々への給水を維持するために、年間4,000万米ドルの資金を必要としています。重要なシステムを動かし続けるために必要最低限の燃料、塩素、予備部品、整備を確保し、公共の水道システムを守ることで、人々に水を供給し続けています。「資金が許す限りユニセフは支援を続けていきますが、この深刻な状況において、継続的な資金支援がすぐに必要です。世界的なパンデミックが広がる中、きれいな水を得るという最も基本的な権利を子どもたちや家族が満たすことができるよう、ユニセフは支援をしていきます」(杢尾)
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ユニセフは、2020年から2021年にかけて、水と衛生分野で以下の支援を行っています。
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