【2021年8月15日 ニューヨーク発】
8月14日にハイチで発生した地震により甚大な被害が出ていることを受け、ユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォアは下記の声明を発表しました。
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© UNICEF/UN0502580/Dominique Chery |
昨日(14日)、ハイチ南西部で発生した地震による被害の全容はまだ分かっていません。しかし、現地にいるユニセフのチームの報告からは、深い喪失感が伝わってきます。子どもを含む多くの死傷者が報告されています。数え切れないほどの人々の生活が奪われ、何千もの民家や企業が損傷を受けたり、倒壊したりしています。
保健センター、学校、橋など、子どもたちや家族の生活を支えている重要な施設やインフラにも影響が出ており、修復できないほどのものもあります。さらに悪いことに、熱帯性低気圧「グレース」が月曜日遅くから火曜日にかけてハイチを通過する見込みです。大雨、強風や嵐により、地震の被害が悪化し、救助・救援活動が困難になる恐れがあります。
© UNICEF/UN0502594/Dominique Chery |
今回の悲劇は、11年前に首都ポルトープランスの南西部で発生し、数十万人の死者を出し、計り知れない苦しみと破壊をもたらした大地震以来の悲劇です。
あれから10年余り、ハイチは再び打撃を受けています。また今回の災害は、政情不安、ギャングによる暴力の増加、子どもの栄養不良の深刻化と同時に起こっています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックとも重なっていますが、ハイチはもっと多くのワクチンを必要としているにもかかわらず、わずか50万人分しか受け取っていません。特に地震の影響を受けた人々には、今すぐにワクチンを届けることが急務です。
被災地では、必要不可欠なサービスが停止しているため、人道支援ニーズは深刻です。多くの人々が医療と清潔な水を今すぐ必要としています。家を追われた人々には避難所が必要です。混乱の中で家族と離れ離れになってしまった子どもたちの保護も必要です。
© UNICEF/UN0502695/Bien Aimé |
ユニセフのスタッフは現地に赴き、調査をサポートし、備蓄していた緊急物資を準備しています。3万人を支援できるユニセフの医療キットが、保健、水、衛生など各分野の物資と共に、すでにレカイ(Les Cayes)に届けられています。私たちは被災した人々のために、水、衛生、保健、栄養、避難所など必要不可欠なサービスの再開を引き続き優先していきます。
しかし、首都から南西部への主要道路やその周辺では、ギャングの暴力により治安が悪化しており、支援活動全体が滞る可能性があります。ユニセフは、これらの地域の武装勢力に対し、被災者に命を守る支援やサービスを安全に提供するための自由なアクセスを求めています。
今も、そしてこれからも、ユニセフは現場で政府やパートナーと協力して、最も弱い立場にある子どもたちや家族に手を差し伸べていきます。
地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けております。ハイチの地震で被災した子どもたちを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるために、ご協力をお願い申し上げます。
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