【2021年8月26日 バクダッド(イラク)発】
イラクで爆発物や地雷による子どもの死傷者が増加しており、先日も罪のない子どもの命が奪われたことを受け、ユニセフ(国連児童基金)・イラク事務所代表のシーマ・セン・グプタは下記の声明を発表しました。
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© UNICEF/UN0472856/Anmar |
ユニセフは、今月24日にディヤーラで10歳の子どもが爆発性戦争残存物(ERW)の爆発により死亡し、25日にはバクバ南部のムラディヤ村で11歳の子どもが簡易爆発装置(IED)により死亡したとの報告を受け、深い憂慮を表明します。
悲しいことに、罪のない子どもの命が失われるケースは、今回だけではありません。イラクではここ数カ月の間、地雷やERWによる子どもの死傷者が増加しており、ユニセフは警鐘を鳴らしています。国連の記録によると、イラク全土で、今年1月から8月の間に、ERWによって子ども35人が死亡、41人が重傷を負いました。これは、2020年同時期にERWや地雷によって子ども6人が死亡、12人が重傷を負った国連の記録と比較しても、子どもの犠牲者が驚くほど増加していることを示しています。
あらゆる状況において、子どもの安全は最も優先されなければなりません。地雷やERWによって民間人が犠牲になることは多々ありますが、その中でも最も犠牲になりやすいのが子どもです。子どもはおとなよりも体が小さいため、爆風の影響を受けやすく、命を落としたり重傷を負う可能性が高まります。
ユニセフは、すべての当事者に対し、既存の地雷や不発弾を除去するためのあらゆる努力を加速し、被害者支援を促進するとともに、子どもたちの権利である安全で保護された環境を守るよう求めます。
また、イラクで紛争の影響を受けたすべての地域の学校およびコミュニティにおいて、子どもたちや地域住民が爆発物に対する危険性を知るためのリスク教育を受けられるよう、ユニセフはイラク政府およびドナーコミュニティに対し、爆発物リスク教育活動の規模拡大への支援を求めています。
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