【2021年9月23日 ニューヨーク/ポルトープランス/メキシコシティ発】
ユニセフ(国連児童基金)は、ハイチから避難して来た家族が、米国との国境で追い返されている状況に懸念を抱いています。
© UNICEF/UN0519249/Ergen |
ユニセフの当初の推計によると、ハイチの首都ポルトープランスに送り返された移民の3人に2人以上が女性と子どもです。その中には、生まれたばかりの赤ちゃんもいて、具体的な緊急の支援ニーズが高まっています。
ユニセフの事務局長ヘンリエッタ・フォアは「ハイチは、自然災害、ギャングによる暴力、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックという3つの悲劇に見舞われています」と述べました。「子どもたちや家族が適切な保護を受けられずに追い返されると、暴力や貧困、避難生活など、そもそも移住を余儀なくされた要因に対し、より悪影響を受けやすくなります」
メキシコとハイチで行った初期調査では、10歳未満の子どもたちの多くはハイチ以外の国で生まれたか、人生の大半を別の国で過ごしたとされています。
© UNICEF/UN0521943/Ergen |
ユニセフは、ハイチから避難し、現在テキサス州デル・リオに住む家族の状況についても憂慮しています。ユニセフの予備調査によると、ハイチからの移民の約40%が子どもです。彼らは過密状態で不十分な環境の中で生活しており、基本的な人道支援を必要としています。
ユニセフは、子どもたちや家族にとって必要不可欠な支援を提供するために活動しています。シウダード・アクニャ(メキシコ)では、子どもの保護サービスの利用促進を図り、飲料水、衛生キット、移動式トイレ、手洗い設備を提供する予定です。
ハイチでは、現地当局や国際移住機関(IOM)と協力して、送還されてきた子どもたちに心理社会的支援、保護サービス、学用品などを提供する予定です。
しかし、こういった家族の命を守る活動を行うためには、さらなる支援が必要です。
© UNICEF/UN0519236/Ergen |
ユニセフは、すべての関係者に対し、国境でのあらゆる武力行使を止め、家族が離れ離れにならないよう配慮し、送還に関してどのような決断を下す際にも、移民の保護ニーズを適切に評価するよう求めています。子どもたちは、その基本的な安全と健康が脅かされている状況に、決して戻されてはなりません。
「子どもたちの最善の利益は、ほかのどんな検討事項よりも優先するべきです」(フォア)
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