2022年2月16日ニューヨーク発
2月16日に始まった「第2回グローバル障がいサミット(the 2nd Global Disability Summit)」における、ユニセフ(国連児童基金)事務局長キャサリン・ラッセルの発言内容を以下に抜粋してお伝えします。
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必要不可欠な支援を提供
「第1回グローバル障がいサミット」で、ユニセフ元事務局長のヘンリエッタ・フォアは、障がいのある子どもたちに対するコミットメントを行動に移すことについて語りました。それ以来、ユニセフは課題解決に向けて懸命に取り組んでいます。
過去4年間で、ユニセフの人道支援プログラムによって、220万人以上の障がいのある子どもに支援が届きました。ユニセフの現地事務所144カ所で、障がいのある子どもたちの社会へのインクルージョンをプログラムに組み入れ、何百万人もの子どもとその家族に必要不可欠な支援を提供しています。例えば、2020年には、131カ国でインクルーシブ教育を支援し、15万2,000人の障がいのある子どもに補助機器などを提供しました。
また、障がいのある子どもたちに関する信頼性の高いデータを入手し、より活用できるようにするという2018年のコミットメントを実現するために尽力してきました。そして2021年11月、世界中の2億4,000万人の障がいのある子どもたちに関するデータについて、最も包括的な統計分析を発表しました。そこで示されたのは、厳しい状況でした。
障がいのある子どもたちは、同年代の子どもたちと比較して、発育阻害のリスクが高いと言われています。また、一度も学校へ通うことができない可能性が50%近く高まり、児童労働を強いられたり、厳しい体罰を受けたりする可能性も高くなります。スティグマや差別は、彼らの自信と幸福をさらに奪っていくのです。
可能性を発揮する権利を
障がいのある子どもたちは、他のすべての子どもたちと同じように、その可能性を最大限に伸ばす権利を有しています。この権利を否定することは、子どもたち自身を傷つけるだけでなく、本来ならば彼らが実現できたはずの社会への貢献も奪うことに繋がるのです。
ユニセフは、特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが、障がいのある子どもたちが直面する多くの課題をより複雑にしていることを鑑み、こうしたデータが示す状況の緊急性は高いと警鐘を鳴らしています。
障がいのある子どもたちは可能性を最大限に発揮することを望んでいますし、その権利があります。ユニセフは役割を果たすことを約束します。そしてそのためには全員がこれまで以上に努力する必要があります。
ユニセフは、世界、国、地域におけるCOVID-19対策と復興計画の中心に子どもたちを据えるよう呼びかけています。また、障がいのある子どもたちがこの復興計画をはじめとするあらゆる意思決定の場に参加できるよう、引き続き政策提言を行っていきます。