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日本ユニセフ協会

プレスリリース

気候変動
10億人の子どもたちに極度のリスク 子どもを中心に据えた気候変動対策を

2022年2月28日ニューヨーク

『気候変動に関する政府間パネル(IPCC) 第6次評価報告書 (原題:the Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) AR6 Report)』の発表を受けて、ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセルは、以下の通り声明を発表しました。

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子ども10億人にリスク

Analamanga地域のアンタナナリボでの集中豪雨で浸水した道に立つ子どもたち。(マダガスカル、2022年1月撮影)

© UNICEF/UN0580101/Ramasomanana
Analamanga地域のアンタナナリボでの集中豪雨で浸水した道に立つ子どもたち。(マダガスカル、2022年1月撮影)

本日発表された、きわめて重要な『気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書』によって、「気候危機は将来の脅威ではない」ということが、一切疑いようのない事実として、明らかになりました。気候危機は今私たちの目の前で起こっており、加速しながら、今後ますます破壊的な形で世界に影響を与え続けていくでしょう。

すでに気候危機によって、全大陸のほぼすべての子どもたちが、より頻繁で、激しく、破壊的な、気候に関連した災害のリスクに晒されています。こうした災害は、熱波、干ばつ、サイクロン、洪水、大気汚染、ベクター媒介性疾患など、多岐にわたります。

しかし、一部の子どもたちにとって、気候危機は単なるリスクの高まりではありません。それは、命を脅かす現実なのです。

ユニセフが最近発表した『子どもの気候危機リスク指数の紹介(原題:Children's Climate Risk Index)』は、子どもの視点から気候・環境に関するリスクを初めて包括的に分析したもので、最も深刻な危険、ショック、ストレス要因にさらされた極めてリスクが高い国に、10億人の子どもが暮らしていることを指摘しました。こうした子どもたち、その家族、そして彼らの未来、ひいては社会が受ける影響は、きわめて甚大です。世界が行動を起こさなければ、近い未来、こうした状況がすべての子どもたちに広がります。

子ども中心の気候変動対策を

深刻な干ばつの被害を受けているソマリ地域の村で、砂埃が舞う中歩く人たち。(ソマリア、2022年1月撮影)

© UNICEF/UN0583942/
深刻な干ばつの被害を受けているソマリ地域の村で、砂埃が舞う中歩く人たち。(エチオピア、2022年1月撮影)

気候危機が子どもたちの危機であることに、反論の余地はありません。しかし、気候危機の対策を講じる際に、子どもたちの存在は常に見過ごされています。気候変動の影響を最も受けている子どもたちのニーズへ投資することは、優先事項とされていないのです。多くの場合、それは議題にすらあがりません。今こそ、子どもたちを気候変動対策の中心に据えるべき時です。

最優先すべきなのは変わらず、各国政府が、大規模な温室効果ガス排出削減を約束通りに実現することです。気候変動への適応には限界があるため、これが唯一の長期的な解決策であることには変わりありません。

適応に焦点をあてた、気候変動に対して回復力のある開発を通じて、国やコミュニティが備えることは、厳しい状況にある子どもたちの命やその家族の生活を守る、最も効果的な方法です。

賢明で戦略的な行動を

熱帯低気圧「アナ」の被害を受け、自宅から避難した親子。(モザンビーク、2022年2月撮影)

© UNICEF/UN0591027/Pedro
熱帯低気圧「アナ」の被害を受け、自宅から避難した親子。(モザンビーク、2022年2月撮影)

しかし多くの国では、気候変動への適応計画が全くないか、あったとしても、気候変動から保護したり特定の緊急ニーズに対処したりすることができないようなものとなっています。これは、ほとんどの子どもたちが、影響力を増し続ける気候変動に対して、いまだ無防備で準備不足であることを意味します。

ユニセフはすべての国に対し、子どもを中心とした気候変動への適応計画を最優先事項として、子どもをすべての気候変動対策の核とすることを確約するよう、求めています。

若者はすでにあまりにも長い間、指導者たちが気候危機を抑えるために必要な、徹底的で思い切った行動をとるのを待ってきました。これ以上彼らを待たせるわけにはいきません。彼らが生き抜くための賢明で戦略的な行動を起こしましょう。

困難な状況にある子どもたちが、生まれ持った権利を守られ、平和に健やかに成長できることを目指して活動するユニセフ。

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