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日本ユニセフ協会

プレスリリース

若者5人に2人「子どもを持つことを考え直す」
163カ国対象、ユニセフの気候変動調査結果 ユニセフCOP27代表団団長「即座に行動を」

2022年11月9日シャルム・エル・シェイク(エジプト)

全世界の24万3,512人を対象にしたユニセフ(国連児童基金)の調査「U-Report(ユー・レポート)」によると、アフリカの若者のほぼ半数が、気候変動のために子どもを持つことを考え直した、と回答しています。

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ユニセフの気候変動調査結果

クアンナム省にある町で、台風の影響により浸水した道を通る子どもたち。(ベトナム、2022年9月撮影)

© UNICEF/UN0712685/Pham Ha Duy Linh
クアンナム省にある町で、台風の影響により浸水した道を通る子どもたち。(ベトナム、2022年9月撮影)

世界全体では、若者の5人に2人が、気候変動の影響により、家族を持ちたいという思いを考え直すようになったと回答しています。こういった懸念はアフリカで最も高く、子どもを持つことを考え直すと答えた若者の割合は、中東・北アフリカ地域(44%)およびサハラ以南のアフリカ地域(43%)で最も多く見受けられました。

両地域の若者は、様々な気候ショックを経験したと答え、世界の他の地域の若者よりも、これらのショックが食料や水へのアクセス、家族の収入に影響を与えたと述べる人が多くいました。

ユニセフのCOP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)代表団を率いるパロマ・エスクデロ団長は、「私たちはすでに気候変動の影響を受けていますが、それは洪水や干ばつ、熱波にとどまらず、私たちの希望を持つ気持ちそのものに及んでいます。特にアフリカでは、若者たちはこれらのショックが自分自身や愛する人々に与える影響を目の当たりにし、将来の計画を変えつつあります。しかし、そうする必要はありません。COP27で世界の指導者たちは、若者たちのこの不安に耳を傾け、彼らを守るために即座に行動を起こさなければなりません」と述べています。

4人に1人洪水を経験

乾いたドロー川から、汚れた水を汲む家族。(ソマリア、2022年3月撮影)

© UNICEF/UN0607658/Rich
乾いたドロー川から、汚れた水を汲む家族。(ソマリア、2022年3月撮影)

昨年、医学雑誌『ランセット(The Lancet)』が発表した調査によると、全世界の回答者1万人のうち39%が子どもを持つことをためらっており、これはユニセフのU-Reportと同じような割合でした。ユニセフの調査方法は代表標本を用いていませんが、アフリカの若者の幅広いネットワークを持つU-Reportプラットフォームは、アフリカにおいてこの傾向が広まっていることを初めて示したと考えられています。

その他の調査結果の概要は以下の通りです:

  • 世界的に見ると、U-Report回答者の半数以上が、干ばつまたは猛暑のいずれかを経験したと回答。4人に1人が大気汚染を、同じく4人に1人が洪水を経験。6人に1人は、頻繁に起こる猛烈な嵐やサイクロンを、そして10人に1人が山火事を経験している。
  • U-Report回答者 の 5 人に 2 人は、気候変動の結果、食べるものが少なくなったと述べている。この回答はサハラ以南のアフリカがもっとも高く(52%)、次いで中東・北アフリカ(31%)であった。
  • U-Report回答者の4人に1人は、家族の収入源が気候変動の影響を受けたと回答している。この回答は、中東・北アフリカで最も多く(34%)、次いでサハラ以南のアフリカ(32%)であった。
  • U-Report回答者の5人に1人が、きれいな水を手に入れることが難しくなっていると回答している。この回答は、中東・北アフリカで最も多く(35%)、次いで東アジア・太平洋(30%)であった。
  • U-Report回答者の5人に3人は、気候変動が原因で他の都市や国への移住を考えたことがあると回答。同様の回答は、中東・北アフリカでは70%、ラテンアメリカ・カリブ海地域では66%に上った。

若者たちの未来のために

ナンプラ州で、サイクロンにより破壊された学校の前を通る13歳のマリアーノさん。(モザインビーク、2022年3月撮影)

© UNICEF/UN0608517/Franco
ナンプラ州で、サイクロンにより破壊された学校の前を通る13歳のマリアーノさん。(モザインビーク、2022年3月撮影)

「政策決定については大いに議論されていますが、COP27で問題にしなければならないのはそれではありません。このU-Reportよって、子どもを産むかどうか、国を出るかどうか、直面する危険をどれだけ乗り越えられるかなどの若者の未来が、うやむやになっていることが明らかになりました。若者たちのためにも、COP27が成功するか否かは、長年約束され続けてきたコミュニティの適応を支援する資金を提供できるか、損失や被害に対する解決策が構築できるか、によって測られなければなりません」(エスクデロ団長)

 

注記:
U-Report世論調査は、2022年7月から8月にかけて、SMSやインスタントメッセージを通じて、163カ国の若者に気候変動に関する一連の質問を送りました。回答者が50人以上いたのは50の国と地域。最も回答者が多かったのは、コンゴ民主共和国、ナイジェリア、コートジボワール、ウガンダ、アンゴラ、ブルンジ、タンザニア、インドネシア、ケニア、ハイチ、カメルーン、モロッコ、ブラジル、イラク、エクアドルでした。

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