2023年6月16日東京発
5月19日に広島で開催されたG7広島サミット・パートナーズ・プログラム「次世代シンポジウム」に、歌手のAIさんがユニセフのボランティアとしてサプライズ参加。平和構築をテーマに、地元のNPOや約20名の学生と岸田裕子内閣総理大臣夫人、ジル・バイデン米国大統領夫人、ブリッタ・エルンスト・ドイツ連邦首相夫人、アクシャタ・マーティ英国首相夫人、ハイコ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長夫君が意見交換を行ったこのイベントに、ユニセフのメッセージを届けてくださいました。
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ユニセフから「次世代シンポジウム」に向けてのメッセージ
今、世界では、4億人以上の子どもたちが紛争地で暮らしています。 第二次世界大戦以降、最も多くの子どもたちが、人道支援を必要としています。そして、気候変動がこれらの危機を深刻化させ、新たな危機を呼び起こしています。気候変動の影響を大きく受けている国に住む子どもたちは、世界の子どもの約半数にあたる10億人と推定されています。
今年の最初の4カ月だけでも、アフリカのマラウィやモザンビーク、太平洋島嶼国のバヌアツでは、壊滅的な被害をもたらしたサイクロンが発生しました。アフリカ東部・南部の国々では、これまでに無い規模でコレラの流行が続いています。アフリカではまた、そして、アジア、オセアニア、中東、北アメリカの国々でも、猛烈な熱波や干ばつ、洪水が続いています。
紛争や気候変動は、世界の子どもたちの基本的な権利の実現のために克服しなければならない様々な課題を大きくするばかりです。世界中で広がる格差も、拍車をかけています。
しかし、この状況は絶望的ではありません。私たちは、支援を必要としている子どもたちに手を差し伸べる方法を知っています。そして子どもたちは、平和な未来を実現することが可能だということを私たちに示してくれています。
つい先ほどご紹介があった禎子さん*も、そのお一人です。
彼女の勇気と決意は、広島を訪れる多くの方々に勇気を与え続けています。彼女の活動は、この会場にいらっしゃっているみなさまのような若い方々、一人ひとりがアクションを起こせば、それがたとえ小さなものでも、大きな変化をもたらすことができることを証明しています。
そして、みんなが力を合わせれば、栄養不良に苦しむ子どもたち、感染症の危険にさらされる子どもたち、深刻な水不足に直面する子どもたち、トイレの無い生活を強いられている子どもたち、住み慣れた場所を追われ一人で国境を越える子どもたち、学ぶ機会を失う子どもたち、紛争地帯に住む子どもたちにも、支援の手を差し伸べることができることを示してくださっています。
みなさんにだって、できるはず。みんなが手を取り合うことで、平和は手の届くところにやってくるはずです。みなさんの活躍を期待しています。
最後になりましたが、長年にわたり、ユニセフの活動を力強く支えてくださっている日本政府と国民のみなさま、そして、今日、この重要な機会を与えてくださった私たちのボランティア、AIさんに、感謝の言葉を送ります。
ありがとうございました。
*広島平和記念公園内『原爆の子の像』のモデルとなった、佐々木禎子さん
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イタリア系アメリカ人の母と日本人の父を持ち、2人の幼い子どもの母親であるAIさんは、以前より世界の子どもたちを取り巻く問題、平和にまつわる課題について関心を持ち、発信を続けてきました。その想いを行動に移すため、G7広島サミットを機に、子どもたちのための持続的な平和を目指す“Lasting Peace for Every Child” プロジェクトを立ち上げ、ユニセフのボランティアとしての活動もはじめられました。
AIさんは、今後、全国ツアーや公演などを通じて、Lasting Peace for Every Childを展開。「愛と平和、団結」のメッセージを発信するとともに、世界の子どもたちへの支援を呼び掛けられる予定です。