2023年8月7日ローマ発
イタリアのランペドゥーサ島沖で船が難破したことを受け、ユニセフ(国連児童基金)の国家対応コーディネーターである二コラ・デッラルチプレーテは、以下の声明を発表しました。
* * *
地中海で難破事故再び
ユニセフは、地中海でまたもや海難事故が起きたことに深い悲しみを覚えています。今回、イタリアのランペドゥーサ島沖で命を落とした人の中には、妊娠中の母親も含まれています。
母親に連れられていた1歳半の子どもも亡くなりました。子どもを含む約30人が行方不明のままです。ユニセフはこの悲劇に巻き込まれたすべての人々を思い、心を痛めています。
今年に入ってからの半年間で、地中海中央部を通り欧州に渡ろうとして命を落とした、または行方不明になった子どもは少なくとも289人います。地中海中央ルート横断中に発生した事故の多くは、生存者や記録が残っていないため、犠牲となった子どもの数は実際にはもっと多いと考えられます。
欧州連合(EU)域内で、移動と庇護のためのより安全で合法的な経路を作ること、そして、海難死を防ぐよう連携して捜索・救助活動を行うことを、各国の指導者たちに強く求めます。出身国・通過国・到着国で子どもたちを保護するために、さらに多くのことがなされなければなりません。
ユニセフはランペドゥーサの現場で、イタリア政府やその他のパートナーたちと協力して、暴力や搾取、虐待の危険にさらされている子どもや女性たちに、心理社会的支援、保健医療および専門的サービスを提供しています。
注記:
ユニセフは、欧州委員会(EUの行政執行機関)の移民・内務総局がサポートする「PROTECT」プロジェクトを通じて、年初からの6カ月間にランペドゥーサ島で、おとなの同伴者のいない子どもや家族から引き離された子ども2,000人以上を支援しました。