2023年9月6日アブジャ(ナイジェリア)発
ユニセフ(国連児童基金)は本日、ナイジェリア北東部における紛争が経済に与える壊滅的な影響について詳述した、新たな調査報告書を発表しました。これによると、子どもに対する暴力と重大な権利侵害が、深刻な経済の悪化を引き起こし、紛争地域だけでなく、国全体に影響を及ぼしています。
調査によると、2021年時点のナイジェリアの経済規模は、紛争が起きていなかった場合と比べて2.5%小さいものでした。これは、過去10年間で約1,000億米ドルの累積損失に相当します。
さらに、現在推定260万人が避難生活を余儀なくされ、約100万人の子どもが紛争のために学校に通うことができません。
平和と子どもの権利のために行動を
この報告書について、ユニセフ・ナイジェリア事務所代表のクリスティアン・ムンドゥアーテは次のように述べました。「収集されたデータは、悲惨な現実を鮮明に打ち出しています。これは単に、一部地域の問題ではありません。この紛争がもたらす経済的、社会的な余波は、ナイジェリア全土、そして国外にも広がっています。しかしながら、最大の悲劇は子どもたちへの影響です。子どもたちの教育が中断され、基本的権利が侵害されることは、計り知ることのできない損失なのです」
ムンドゥアーテ代表はさらに、現下の紛争がもたらすであろう長期的な影響に注目しました。「今後10年間で紛争の影響が低減すると予想したとしても、ナイジェリア経済は最大2,000億米ドルという莫大な累積損失に直面します。紛争が長期化することによる "傷跡 "は、ナイジェリア経済が本来の力を発揮することを妨げ、国の将来的発展を危うくする可能性があります」
紛争を終結させるための迅速かつ協調的な行動を求め、ムンドゥアーテ代表は、「今こそ行動を起こすべき時です。子どもたちの未来と国の経済成長が危機に瀕しています。私たちはナイジェリアのより明るい未来のために、平和と子どもの権利の保護を優先させなければなりません」と強調しました。
「この報告書内の一つひとつの統計は、一人の子ども、そして一つの未来や希望なのです。信じがたい数字の向こうには、行動せざるを得ない呼びかけがあります。私たちはこれを無視することはできません。リスクはあまりにも高いのです」と代表は付け加えました。