2023年10月12日ニューヨーク/コペンハーゲン発
ユニセフ(国連児童基金)は本日、世界で2番目となるマラリアワクチン「R21/Matrix-M」の供給確保に合意したと発表しました。マラリアは、今なお5歳未満の子どもの命を1分間に1人の頻度で奪っており、この合意は新しいワクチンへの高い需要に応えるための重要な節目となります。
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致命的な病気から子どもを守る
Serum Life Sciences社と締結した2024年から2028年までの長期契約は、世界保健機関(WHO)によるワクチンの事前認証を条件としています。
ユニセフ物資供給部門の部門長、レイラ・パッカラは「毎年50万人近くの子どもがマラリアで命を落としているのは、心が痛むことであり、受け入れがたいことです。今回の合意は、この致命的な病気からより多くの子どもを守るための非常に重要な一歩です」と、述べています。
この4年間の契約により、ユニセフはR21/Matrix-Mワクチンの配布を2024年半ばに開始し、同時期に予防接種を実施し始める予定です。これは、マラリアワクチンを普及するというユニセフの取り組みを拡充するもので、革新的な最初のマラリアワクチン「RTS,S」を補完するものです。RTS,Sの配布は2023年後半に開始される予定です。
年間20億回分以上のワクチンを調達
35年にわたる研究開発の成果であるR21/Matrix-MとRTS,Sの両マラリアワクチンは、寄生虫性疾患に対して初めて開発されたワクチンです。どちらも、世界的に最も致死率が高く、アフリカで最も流行しているマラリアの原虫である熱帯熱マラリア原虫に作用します。これらのワクチンは、マラリアとの闘いにおける非常に重要な手段のひとつとなります。
ユニセフは、ワクチンの単独の購入者としては世界最大で、約100カ国に代わり、子どもへの定期予防接種と感染拡大対策用に年間20億回分以上のワクチンを調達しています。今回のR21/Matrix-Mマラリアワクチンの調達は、マラリアワクチンの世界的な供給を促進し、子どもとその家族へのワクチンの公平な提供を加速する一助となります。