2024年2月11日カトマンズ(ネパール)発
2023年11月3日にネパール西部で発生したマグニチュード6.4の地震から100日、ユニセフ(国連児童基金)は被災地の6万8,000人の子どもとその家族への継続的な支援を呼びかけるとともに、被災した子どもたちの生活を立て直すために必要な1,470万米ドルの資金を求めています。
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約20万人が人道支援を必要
カルナリ州ジャジャルコット郡を震源とする昨年11月の地震で154人が死亡、366人が負傷し、死者の半数にあたる81人は子どもでした。この地震により、家屋、学校、保健施設および給水インフラも損傷し、子どもたちにとって非常に重要なサービスが途絶えました。 6万8,000人の子どもを含む約20万の人々が、生活再建のための人道支援を必要としていて、その多くは寒い冬の日々を仮設の住まいで過ごしています。
ユニセフ・ネパール事務所代表のアリス・アクンガは、次のように述べています。「ネパール西部で発生した大地震から3カ月、厳しい冬も到来し、被災地の何千人もの子どもが、日々苦難に直面しています。子どもたちは、愛する人を亡くしたトラウマと向き合い続けています。家や学校、所持品などを失った子どもたちは、健やかな発達を妨げられるリスクにさらされています。気温が上昇しても、子どもたちには栄養のある食料、清潔な水、教育、守ってくれる場所が必要であり、ニーズは依然として高いのです。子どもたちの生活を立て直し、日常を取り戻すための最善の方法の一つは、友だちと遊び、学び、心穏やかに過ごせる場所である学校に子どもたちを戻すことです」
地震発生直後からユニセフは政府やパートナーと共に現地において、子どもたちとその家族に、防水シート、毛布、医療用テント、レクリエーション・教育キット、衛生用品などの命を守る物資を提供しました。
子どもたちに未来への希望を与えるために
地震により898校の校舎が被害を受け(全壊294校、一部損壊604校)、学齢期の子ども約13万4,000人の教育に影響が出ました。このうち1万7,000人以上の子どもが、ユニセフが開発支援パートナーの協力を得て設置した223の臨時学習センターで学習を再開することができました。さらに、校舎が完全に修復されるまでの間、子どもたちが教育を受け続けられるよう、過酷な気象状況にも耐えられる臨時学習センターが設置されています。
さらにユニセフは、地方自治体やパートナーと連携して、損傷した565のトイレの修理と251の仮設トイレの設置も支援しました。また、はしか、風疹、腸チフスといった命にかかわる病気に対する子どもへの予防接種を目的とした政府のキャンペーンにも支援を行いました。
しかし、子どもとその家族を支えるためには、さらに多くの支援が必要です。これまでのところ、ユニセフが求めている1,570万米ドルの支援資金のうち、充当されたのはわずか7パーセントにすぎません。その大部分は、ユニセフのグローバルな人道支援を支える分野・テーマ別基金からの資金によるもので、この基金は人道危機に対するユニセフの迅速かつ戦略的な対応を可能にする、最も柔軟な資金形態です。ユニセフは、子どもたちに命を守る支援を提供し続けるために必要な、1,470万米ドルの追加資金を必要としています。
アクンガ代表は次のようにも述べています。「ユニセフは、必要とする資金を提供してくださったご支援者の皆さまに深く感謝をしています。子どもたちの生活を立て直し、未来への希望を与えるためには、さらなる取り組みが必要です。ユニセフは、ネパール政府、パートナー、ご支援者の皆さまと共に、支援を切実に必要としている子どもや若者たちを支えるために全力を尽くします。子どもたちが生き延び、成長する支えとなる、命を守る物資やサービスをユニセフが提供し続けられるよう、あたたかいご協力をお願い申し上げます」