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日本ユニセフ協会

プレスリリース

欧州全土ではしか感染が急増
感染の半数は5歳未満の子どもたち ユニセフ、予防接種率の低下に警鐘

2024年5月28日コペンハーゲン/ジュネーブ

ヨーロッパ全土ではしかの患者が増え続けており、今年になって記録されたはしかの感染件数は、昨年1年間に報告された感染件数の合計を間もなく上回る、とユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)は本日、警鐘を鳴らしました。

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感染の半数は5歳未満の子どもたち

ウジホロドで、はしかの予防接種前の診察を受ける6歳のミハイリクちゃん。(ウクライナ、2023年7月撮影)

© UNICEF/UNI430484/Hudak
ウジホロドで、はしかの予防接種前の診察を受ける6歳のミハイリクちゃん。(ウクライナ、2023年7月撮影)

入手可能な最新のデータによると、2024年1月から3月までの間で、WHOヨーロッパ地域事務局が管轄する53カ国中45カ国で、5万6,634件のはしか感染と4人の死亡が公式に報告されました。2023年の1年間に報告された数は、41カ国で6万1,070件の感染と13人の死亡でした。

子どもの健康に深刻な影響を及ぼすはしかは、とりわけ幼児に対して重篤な合併症を引き起こす危険性が最も高い感染症です。入院に至る割合は高く、子どもの免疫力が長期にわたって低下することから、他の感染症にもかかりやすくなります。2023年にWHOヨーロッパ地域ではしかを発症した人の半数以上が入院しており、患者とその家族、保健医療システムに重い負担がかかっていることを示しています。

2023年に報告された感染の半数近くが5歳未満の子どもの間で発生しています。これは新型コロナウイルス感染症のパンデミック期間に、ワクチンで予防可能なはしかなどの疾病に対する定期予防接種を受けられなかった子どもが増加したことと、2021年と2022年に予防接種率の回復が遅れたことを反映しています。

ユニセフ欧州・中央アジア地域事務所代表のレジーナ・デ・ドミニチスは次のように述べています。「はしかの感染増加は、予防接種率低下の明らかな兆候です。はしかの感染件数が急増し続けている今、この危険でありながら予防可能な病気からすべての子どもを確実に守るために、保健システムを強化するとともに、効果的な公衆衛生施策を講じる、政府の緊急行動が必要です」

予防接種率の低下に警鐘

2023年にはしかを発症した5歳未満の子どものうち、4分の3以上ははしかの予防接種を全く受けておらず、約99%は十分な抗体をつけるために必要な2回の接種を受けていませんでした。

はしかの感染件数は世界的に増加しています。2023年には世界中で30万件以上が報告されました。今年に入って報告された件数からは、2024年は昨年の感染件数に匹敵するか、それを上回ることが予測されます。国や大陸を越えたウイルスの移動はよくあることで、この感染力の強い疾病の集団発生は、ワクチン未接種者または接種不十分な人々を介して、どこででも起こります。

現在、はしかの感染や集団発生が起きていない国々は、国外からウイルスが持ち込まれて国内で流行したり、さらに国外へと広がったりしないように、事前対策を講じる必要があります。また、集団発生が起きている国々は、感染リスクが高い全ての人に予防接種を行う取り組みを継続し、感染者の特定と接触者の追跡を強化し、疫学的データを用いて予防接種率のギャップを把握する必要があります。ユニセフとWHOは、他の地域的・世界的パートナーと共に、各国のこうした取り組みを引き続き支援していきます。

 

注記

はしかは世界で最も感染力の強い疾病の一つで、感染した人が呼吸や咳、くしゃみをすることでウイルスが空気中に飛散し、他の人がそれを吸い込むことで感染が広がります。空気中や物質の表面についたウイルスは、最大2時間は活性があり感染力を持ちます。

はしかの免疫がない人は、誰でも感染する可能性があります。見た目で明らかな発疹は最も顕著な症状ですが、合併症として失明、脳炎、重度の下痢とそれに伴う脱水症状、耳の感染症、肺炎などが引き起こされます。

WHOヨーロッパ地域はしか・風疹排除認証委員会第12回会合についてはこちらをご覧ください(英語)。

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