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日本ユニセフ協会

プレスリリース

中東情勢緊迫化、ユニセフ地域事務所代表声明
「パレスチナ、イスラエル、レバノン、ゴラン高原 ―1年足らずで無数の子どもが犠牲に」
自制と国際人道法遵守訴え

2024年8月8日アンマン(ヨルダン)

中東地域で起きている暴力と攻撃を受け、ユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ地域事務所代表のアデル・ホドルは以下の声明を発表しました。

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中東情勢緊迫化

戦闘に巻き込まれ、頭と顔に火傷を負った7歳のイブラヒムさん。ユニセフの心理社会的支援キットを受け取り「戦争が終わったら友だちと遊びたい」と話す。(ガザ地区、2024年7月18日撮影)

© UNICEF/UNI616507/Media Clinic
戦闘に巻き込まれ、頭と顔に火傷を負った7歳のイブラヒムさん。ユニセフの心理社会的支援キットを受け取り「戦争が終わったら友だちと遊びたい」と話す。(ガザ地区、2024年7月18日撮影)

中東の多くの国々の子どもたちは、今日、かつてないほど厳しい現実、つまり不安と暴力に取り囲まれた生活に直面しています。

暴力と攻撃の激化は、ここ数カ月の間に中東地域の何カ国かに波及し、衝撃的な数の子どもの命を奪っています。

ほぼすべての攻撃のたびに、犠牲者の中に子どもが含まれていると報じられています。わずか1年足らずの間に、パレスチナ、イスラエル、レバノン、占領下のゴラン高原で、何千人もの子どもが亡くなりました。

このような悲劇的な死だけではなく、さらに多くの子どもが永遠に残る身体的な傷や、計り知れない心の傷に苦しんでいます。多くの子どもが避難のために家を失い、常に不安と恐怖の中で暮らしています。

破壊された家のがれきの上を歩く5歳のアマルちゃん。(レバノン、2024年2月撮影)

© UNICEF/UNI561766/Ibarra Sánchez
破壊された家のがれきの上を歩く5歳のアマルちゃん。(レバノン、2024年2月撮影)

しかし、子どもたちを取り巻く状況は、まだまだ悪化する恐れがあります。この地域で暴力が激化すれば、深刻な人道的影響が生じ、今よりさらに多くの子どもたちの命とウェルビーイングが危険にさらされます。また、中東の平和と安定の見通しに長期的な影響を及ぼすでしょう。子どもたちの命とウェルビーイングを守るためには、直ちに事態を鎮静化させることが必須です。それ以外の手段は良心的に受け入れがたいのです。

ユニセフは引き続き、すべての当事者に対し、直ちに最大限の自制を行使し、国際人道法上の責任に沿って民間人と彼らが生きるために必要なきわめて重要なサービスを保護するよう、求めます。子どもたちには暴力から守られる権利があり、それは常に擁護されるべきなのです。

ユニセフは引き続き現地に留まり、パートナーと協力しながら、中東地域の子どもたちを支援し保護するために必要不可欠なサービスや物資を提供していきます。しかしながら、子どもたちが本当に必要としているのは、平和と安全であり、剥奪や恐怖から解放され、尊厳を持った生活ができる機会であるのです。それは、緊張緩和、永続的な政治的解決、明るい未来への約束から始まります。

 

困難な状況にある子どもたちが、生まれ持った権利を守られ、平和に健やかに成長できることを目指して活動するユニセフ。

その活動は皆さまのご支援によって支えられています。

毎月(定額)のご寄付 今回(一回)のご寄付

※最も支援が必要な子どもたちを支え、ユニセフの様々な活動に役立てられています。

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