2024年9月5日ニューヨーク発
ユニセフ(国連児童基金)の子どもの栄養と発達局長ビクター・アグアヨは、「食料危機に関するグローバル報告書2024年(Global Report on Food Crises〈GRFC〉2024)」の中間更新の発表に際して国連本部で開催された記者ブリーフィングにて次の発言を行いました。
なお、食料不安を示す指標であるIPC/CHレベルで最も重いフェーズ5(大災害)に直面している、あるいは直面すると予測されている人数は、2023年には5つの国・地域で70万5,000人であったのが、2024年には4つの国・地域で190万人と倍増しました。これはこれまでのGRFCで最も大きな数字で、ガザ地区とスーダンの戦闘に起因します。
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子どもの消耗症、世界的な増加
消耗症は、栄養不良の中でも最も命にかかわるもので、急性栄養不良とも呼ばれています。消耗症は、食料危機が起きている国に暮らす子どもたちの間で、依然として非常に高い水準にあります。
これは、子どものために家族が栄養価の高い食べ物を入手、購入できないことや、保健・栄養・水と衛生サービスが利用できないといった理由のためです。このような脅威は、最も脆弱な立場にある子どもたちやコミュニティへの人道アクセスが悪化する紛争状況下で急速に高まっています。
このグローバル規模の報告書では、子どもの消耗症が増加していることが浮き彫りになっています。特に、カメルーン、チャド、ジブチ、ハイチ、スーダン、シリア、ウガンダ、イエメンの8カ国では危機的なレベルにあります。
他国連機関も、ガザの状況を、歴史上最も深刻な食料・栄養危機の一つと表現しています。この壊滅的な被害に遭っているガザの人口の半数近くが子どもであることを忘れてはなりません。
ガザの子ども5万人以上が急性栄養不良
私は先週ガザに行き、何カ月にも及ぶ民間人に対する戦闘と人道支援の厳しい制限によって、食料・保健・保護システムが崩壊し、子どもたちの栄養に壊滅的な影響が及んでいることを目の当たりにしました。
重度栄養不良に最も陥りやすい幼い子どもの食生活は極めて貧しく、90%以上の子どもが、有害なストレスにさらされ、安全な水と衛生設備がない状態で、何週間も何カ月も、1日にせいぜい2種類の食品群しか摂っていません。そして今、5万人以上の子どもが急性栄養不良に苦しみ、救命治療を必要としていると推定されます。
ガザでは、ユニセフが支援する活動を行う医師や看護師、栄養専門家たちと話し、市場や市中を――またはその残骸を、ですが――歩き、子どもに食べさせるために奮闘する母親や父親の声に耳を傾けました。ガザで飢きんや大規模で深刻な栄養危機が発生する危険性が現実のものとなっていることに疑いの余地はありません。
このような事態を防ぐ唯一の方法は、ただちに停戦し、停戦とともにガザ地区全体への持続的かつ大規模な人道アクセスを確保することです。停戦と妨げのない人道的対応によってのみ、幼い子どもたちのための特別な栄養食品や妊婦のための栄養補助食品を含む食料、そして全住民のための保健・水・衛生サービスを家族が利用できるようになるのです。
スーダンでは2,500万人以上が食料不安の影響を受けており、その中には急性栄養不良に陥っている子どもが370万人近くいます。大量の避難民、限られた人道アクセス、途絶された保健・栄養サービス、そして作物の収穫が減少する時季の到来により、これらの数字は増え続けています。
ユニセフは、最も脆弱な立場にある子ども――特に5歳未満の子ども――と彼らの母親の急性栄養不良の早期予防、早期発見、早期治療のために、妨げのないかつ大規模な人道的対応を訴えています。