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ユニセフ協会からのお知らせ

アシックス創業者 鬼塚喜八郎氏ご家族
エチオピアの子どもたちへ100万ドルのご支援

鬼塚喜八郎氏 執務室にて

子どもからアスリートまで幅広く愛用されるシューズ、ウェアを有するアシックス。
創業者である鬼塚喜八郎氏のご逝去に際し、ユニセフは、ご家族より、エチオピアの子どもたちへ100万ドルのご寄付をいただくこととなりました。この寄付金は、エチオピアの子どもたちの命を守る栄養プロジェクトへ役立てられます。

鬼塚氏は、戦後の混乱した社会で、新しい日本を担う次世代の青少年のために何かできないかと考えていたとき、「健全な身体に健全な精神があれかし」との格言と出会い、自らの原点、信念、経営理念と定めました。

「スポーツは、肉体を作るだけではなく、精神も育てる。スポーツマンの精神は人生にも通ずる。」鬼塚氏は、スポーツを通じた青少年の育成こそ、自分の使命と考え、バスケットボールシューズをはじめ、様々なスポーツで必要とされる靴を作り始めました。そして現在、アシックスのシューズは、学校の授業や部活からオリンピックに至るまで、また、子どもから大人まで、多くの人を足元から支えるようになり、2007年9月29日、鬼塚氏は、天寿を全うされました。

鬼塚氏亡き後、ご家族は「青少年の育成」に一生をささげた鬼塚氏のお志を、何かかたちにできないものかとお考えになりました。世界の青少年の育成を考えるなか、世界には今なお幼くして命の危機にさらされ、短い生涯を終えていく子どもたちの存在に気づかれたと聞きます。

具体的な支援先検討にあたり、エチオピアのマラソンランナーアベベ・ビキラ選手と鬼塚氏の親交が思い出されました。はだしの王者として有名だったアベベ選手に、「日本の道はガラスの破片があって危険だから」と言ってシューズを提供したといわれており、シューズをはいたアベベ選手が1961年の毎日マラソンで優勝したことは、ご記憶におありの方も多くいらっしゃるかと思います。今から40年以上前の出来事となりますが、二人の親交を改めてふりかえり、ご家族は、エチオピアの子どもたちを支援するために、ユニセフへ100万ドル(約1億1000万円相当)を寄付することを決定されました。

(C) UNICEF Regional Office for West and Central Africa

エチオピアでは、5歳未満の子ども約6人に1人が5歳の誕生日を迎える前に、亡くなっています。

子どもたちの命を守るべく、様々な取り組みがされているものの、干ばつや洪水の自然災害が繰り返され、5歳未満の子どもの死亡率は世界19位と非常に高く、子どもたちが健全に成長することが極めてむずかしい国のひとつです。

そして、子どもたちの死亡原因の50%以上に、栄養不良が影響を与えています。

(C)UNICEF
/HQ06-1638/Indrias Getachew
(C)UNICEF/
HQ06-1637/ndrias Getachew

ユニセフは、エチオピア国内において、子どもたちの権利と成長を守る主要な機関として、保健、栄養、水と衛生、教育、保護等の分野で活動をしています。ご家族と日本ユニセフ協会が協議を重ねた結果、この浄財はエチオピアの未来を担う子どもたちの健全な成長のために、栄養プロジェクトへ役立てられることとなりました。

プロジェクトでは、コミュニティを基盤とした2歳未満の子どもたちへの栄養補給・強化を通じて、子どもの生存を守ることを目指します。

定期的な子どもたちの発育状況の観測、不足している栄養素の補給や家庭やコミュニティでのケアを改善することによって、健全な成長を促し、子どもたちの生存を守ります。

プロジェクトは、2008-2009年の2年に渡って実施され、ティグライ州の6000のコミュニティで実施、120,000人の子どもたちがこの恩恵を受けられる予定です。

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ユニセフ・エチオピア事務所、ユニセフ本部、財団法人日本ユニセフ協会は、鬼塚喜八郎様の訃報に接し、深い哀悼の意を捧げ、心よりご冥福をお祈りいたします。

また、今回のご家族様のご決定に、厚く感謝を申し上げ、そのご信頼にこたえるべく、活動いたします。

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