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ユニセフ協会からのお知らせ

World Fit for Children +5 Declaration
子どもと若者の問題に特化した国連総会
「子どもたちにふさわしい世界プラス5」宣言 採択

© UNICEF/HQ07-2010/Markisz

【2007年12月13日 ニューヨーク発】

2002年に開催された「国連子ども特別総会」から5年目の現状と課題を評価・議論するため、11日からニューヨーク国連本部で開催されていた子どもと若者の問題に特化した国連総会(World Fit for Children + 5 special session)は、最終日の13日、140を越える政府代表の指示を受け、世界の子どもの福祉増進を目指す新たな宣言文を採択しました。

「このような世界的に権威ある舞台で、子どもたちの福祉増進のための新たな扉が開かれたことを大変嬉しく思います。

この簡潔ながら力強い宣言文は、全ての子どもたちが安心して暮らせる世界を創造するという人類共通の目標を達成するために、世界中の全ての人々がより一層の努力をしなければならないと訴えています。」(クル・ゴータム ユニセフ事務局次長)

ケニア人のミリセント・アティエノ・オロンドさん(15歳)
© UNICEF/HQ07-2011/Markisz
国連総会閉会にあたり、「子どもにふさわしい世界」を発表するケニア人のミリセント・アティエノ・オロンドさん(15歳)

「子どもたちにふさわしい世界プラス5」宣言
『宣言文』(仮訳)

国連総会は、以下の宣言を採択した:
子ども特別総会の結論を評価・議論するハイレベル記念総会の宣言

  1. ハイレベル記念総会に集結した我々各国政府代表者は、2002年以降に確認された子どもたちにふさわしい世界をつくるための様々な努力の成果に勇気付けられた。毎年失われている5歳未満の子どもの命の数が削減された。より多くの子どもたちが学校に通えるようになった。教育の機会は、以前よりも男女平等に与えられるようになった。より多くの種類・数の医薬品がHIV/エイズに影響された子どもたちも含め提供されるようになった。暴力や虐待、搾取などから子どもたちを守るために、以前よりも多くの法律が整備され、警察が動員されるなど、様々な対応策が組まれるようになった。我々の現在の、そして将来的な取り組みは、こうした重要な成果の上に構築されるべきである。
  2. しかし、課題もまだ数多く残されている。貧困の撲滅は、国際社会の最大の課題である。貧困の撲滅無くして、世界の子どもたちのニーズに応え、権利を擁護し実現することは困難である。成果は見られた。しかし、5歳未満の子どもの死亡率は、未だに受け入れがたい程高い。栄養不良、HIV/エイズやマラリア、結核をはじめとする様々な予防可能な疾病の世界的な流行は、何千何百万の子どもたちの健康を脅かしている。教育を受ける機会の欠如は、子どもたちの健全な成長に、依然大きな障となって立ちはだかっている。暴力や搾取、虐待の被害に遭う子どもの数は、不平等や差別、特に女の子に対する差別の被害に遭う子どもの数と同様、相当数に及んでいる。我々は、貧困の負のサイクルを打ち破り、ミレニアム開発目標を含む国際的に合意された開発目標を達成し、子どもたちの福祉と全ての子どもの権利を実現するに資する環境を創造するための取り組みを続ける。
  3. 我々は、第27回子ども特別総会の最終文書『子どもにふさわしい世界』に盛り込まれた宣言と行動計画を実行することと、児童の権利条約と同選択議定書ならびに関連する国際法か我々に課す責任を果たすことが、全ての子どもの権利を保護し、福祉を増進することを理解し、先述の宣言と行動計画を実行する決意を改めて確認する。
  4. 各国政府による様々な施策の拡大と分野横断的な施策の実施、国際協力の拡大とマスメディアや民間セクターなどとのより焦点を明確にした協力関係の構築、そしてこれらに関する国際的、地域的、国内的な取り組みは、子ども特別総会が導き出した様々な目標を達成するために不可欠のものである。我々は、『子どもにふさわしい世界』に則り、こうした国際的な目標の達成を引き続き目指すことと、子どもたちのために必要な資源を確保するための努力を続けることを改めて確認する。
  5. このたびの記念総会の会場でも実現したように、我々は、子どもや若者の意見を歓迎するとともに、今後も、彼ら自身が影響を受ける事項が決定される過程において、年齢や成熟度にふさわしい形態で子どもたちが参加することを強く後押しする。
  6. 我々は、子どもにふさわしい世界を創造するために更に努力をするという政治的意思を改めて確認する。我々は、市民社会を含め、関係する全ての人々が子どもたちのために一つになれば、我々の希求する世界が現実のものとなることを確信している。我々が立案・実施する政策や施策は、子どもは、子ども自身が安心できる家族に支えられた環境の中で育てられるべきであるということを念頭に、親や家族、法定の里親、その他の形態の保護義務者、そして一般社会全体が、それぞれの責務を果たせるよう促すものでなくてはならない。子どもの生存や保護、発達を保障する子どもの権利の実現を優先課題とすることは、全ての人々にとって最も望ましい(状況を創る)ことでもある。我々は、一致団結して、全ての社会において子どもの福祉を確保するという共通の目標の早急な実現を目指す。

 

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