メニューをスキップ 財団法人日本ユニセフ協会
HOME > 協会からのお知らせ2008年
よくあるお問い合わせ

ユニセフ協会からのお知らせ

2015年に向けてのカウントダウン:
妊産婦・新生児・子どもの生存キャンペーンの最新報告書、発表!

【2008年4月16日 南アフリカ・ケープタウン発】

UNICEF/ HQ05-1047/Radhika Chalasan
©UNICEF/ HQ05-1047/Radhika Chalasani

妊産婦と乳幼児の死亡率を下げるための対策を推し進めるために、2008年4月17日から、南アフリカ・ケープタウンに世界中の保健医療専門家や政策決定者、国会議員が集まります。 現在、死亡率が極めて高い国のほとんどの女性と子どもたちに、必要な保健医療が届けられていません。それでも、子どもに死の危険をもたらす病気との闘いでは、前進がありました。 妊産婦・子どもの死亡数の削減は、国際的に合意された目標ですが、現在、そのための前進が至急、必要なのです。

今日、発表された報告書、「妊産婦・新生児・子どもの生存2008」によれば、世界中の妊産婦と子どもの死亡数の97パーセントが集中している開発途上国68カ国中、女性と新生児、子どもたちを救うための必要な保健医療を提供するために、十分な前進ができている国はほとんどありません。ケープタウンで開かれた、国会議員連合の第118回総会に出席した国会議員たちも、世界の保健医療専門家と政策決定者の会議に加わり、子どもと妊産婦の死亡率削減を目指した、ミレニアム開発目標の4と5を達成するための対策を推し進める上で、どのような役割を果たせるのか議論する予定です。

いまだに、毎年、1000万人以上の女性と子どもたちの大部分が、予防可能あるいは治療可能な病気で亡くなっています。妊産婦と子どもの死亡数の大半は、アフリカと南アジアで見られており、特に、サハラ以南のアフリカでは、ますますその死亡数が増えています。世界の子どもの5人に1人がサハラ以南のアフリカで生まれていますが、全世界の子どもの死亡数の半数が、このサハラ以南のアフリカで発生しているのです。妊産婦の死亡数についても同様です。例えば、ナイジェリアでは、実に、7人に1人が妊娠や出産で死亡するという生涯にわたる危険に直面しています。

UNICEF/ HQ06-2765/Bruno Brioni
©UNICEF/ HQ06-2765/Bruno Brioni

本報告書、「妊産婦・新生児・子どもの生存2008」では、その削減に有効だとはっきりしている、主な介入や対策の普及度を計った明確なデータが使用されています。この報告書では、はしかやマラリアなどの子どもに致命的な病気を予防するために、開発途上国68カ国の多くが、ワクチン接種、ビタミンA補給、殺虫剤入りの蚊帳を広めていることに注目しています。

それにもかかわらず、本報告書によると、致死性の高い病気の治療や、他の必要な保健サービスは、いまだに、女性と子どもたちの大半に届いていないのです。こうした保健治療サービスの提供は、より重要な介入が必要になったときに、保健所やコミュニティーに、ほかの機能的なシステムを通じて、24時間の治療を提供できる、整った保健システムがあるかどうかに依存しています。お母さんと赤ちゃんの生命の危険が最も高い時期、出産時と、出産後最初の2週間は、こうした保健治療サービスを利用できることが最も必要です。

本報告書が指摘する、まだ取り組みができていない彼らの生命を救うための対策があります。

  • 家族計画:避妊は、ニーズは高いのですが、まだ十分に取り組みがなされていません。68の開発途上国では、女性の3分の1しか、現在主流の避妊方法を使えていません。それは、妊産婦と新生児の生存向上につながることがわかっているのです。
  • 出産時の適切な治療:出産時、女性と赤ちゃんの半分程度しか、熟練の助産師の介助を受けられていません。産後の要観察期間、あるいは数週間に適切な治療を受けられている女性と赤ちゃんは、さらに少数です。
  • 病気の子どもへの治療:子どもにとっては、単一の病気で致命的な肺炎にかかった子どもの3分の1しか、治療を受けられていません。
  • 栄養:栄養不良は、毎年、350万人の子どもの死亡が関係する潜在的な要因です。また、妊産婦の死亡の2割は栄養不良です。
UNICEF/ HQ07-1261/Tom Pietrasik
UNICEF/ HQ07-1261/Tom Pietrasik
©UNICEF/ HQ07-1261/Tom Pietrasik

こうした取り組みが不十分な対策があるにも関わらず、報告書は、中国や、ハイチ、トルクメニスタン、そしてサハラ以南のアフリカにあるいくつかの国を含め、多くの国がこの3年間に、5歳未満の子どもの死亡数を減少させるという、実質的な目覚しい成果をあげていることに注目しています。68の開発途上国のうち、16カ国は、現在、ミレニアム開発目標4、乳幼児死亡率の削減を達成できる見込みで前進しています。

上手く機能する一連の治療を整備するために、政府や協力団体は脆弱な保健システム、資金不足、そして治療へのアクセスの不平等などの障害の解消に取り組まなければなりません。報告書で明らかにされているように、貧しい家庭ほど病気になったとき、出産時、熟練の助産師による介助や、新生児や子どもの治療を受ける機会が倍も乏しいのです。武力紛争や、HIV感染率の高さなどの障害もあり、それらがあることにより、少なくともアフリカの12カ国で、子どもの生存における前進が帳消しになっています。

ここ何年かで、妊産婦・新生児・子どもの保健のため、支援政府が拠出する資金は全体で増加しました。政府開発援助(ODA)は、21億米ドル(約2120億円)から、35億米ドル(約3500億円)近くまで増えました。こうした投資の結果、保健分野で十分に前進し、予防接種率は急速に改善して、マラリア予防も目覚しく前進しました。それにも関わらず、妊産婦・新生児・子どものための保健システムについては、支援優先度が高い国ほど、大幅な資金不足に陥っています。この保健システムのための支援資金は全部で、支援金全体のわずか3パーセントでしかないのです。ほとんどの資金提供による支援は、特定の計画のために拠出され、特定しない一般予算資金としての受け取りのための拠出は、たった5パーセントでしかありません。

医学学術誌ランセット「Lancet」は、明日から南アフリカで開かれる2015年に向けてのカウントダウン会議での報告を、特別号で掲載しています。

2015年に向けてのカウントダウン:
妊産婦・新生児・子どもの生存キャンペーンの詳細はこちら>>

トップページへ先頭に戻る