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「子どもの権利を守ることが人間の安全保障に不可欠」【2010年7月15日 東京発】
ユニセフ事務局次長ヒルデ・ジョンソンは、東京で開催された公開シンポジウムで、人間の安全保障を実現するためには、周辺に追いやられた子どもや女性たちの権利を守ることが重要であると訴えました。人間の安全保障とは、冷戦終結以降、市民間の暴力や、慢性的な貧困、感染力の強い疾病等、多様な脅威に晒されている人々に安全を提供する必要性から生まれた概念です。緒方貞子JICA理事長をはじめ、シンポジウムに登壇した他の高名なスピーカーも、今日の世界における人間の安全保障の意義を強調しました。 「人間の安全保障の概念と、我々の全ての活動の根幹をなす、権利に基づくユニセフのアプローチは、密接に関係しています。」ジョンソン氏は、外務省、国連および早稲田大学の主催による人間の安全保障シンポジウムにおいて、こう述べました。 「我々は、子どもや女性たちを保護しその権利を満たすことなくして、人間の安全保障は達成できないと確信しています。ユニセフの新事務局長アンソニー・レークは、我々皆がミレニアム開発目標に向けた進展を加速すべく努力する上で、新たに、公平性に焦点を当てるよう呼び掛けています。最も脆弱で不利な立場に置かれた人々こそ、我々が一番に優先しなければなりません。そしてこのような人々こそ、全人類のために人間の安全保障を実現しようとする我々の努力の、まさに中心に据えられるべきなのです。」
ユニセフ事務局次長はまた、人間の安全保障の推進に対する日本政府の貢献に謝意を表しました。「これからも日本が、脆弱国家や、支援金が不足していたり、『忘れられ』たりしている緊急事態に置かれている子どもや女性たちの支援を、重視し続けてくださることを望みます。最近のタジキスタンにおけるポリオの再発のように、新聞の一面には載らないような緊急事態における人道的なニーズに応えようと日本は努力しており、これは賞賛に価します。」 日本政府は2009年には、約164.5百万米ドルの資金をユニセフに拠出しており、これは世界で6番目に大きな額でした。日本ユニセフ協会を通じて拠出された民間からの支援金およそ155.1百万米ドル(世界のユニセフ国内委員会の中で第1位)と合わせると、日本は昨年、ユニセフのドナーとして世界第2位でした。 ユニセフと日本政府は、7月14日に東京で開かれた第22回政策協議において、世界の子どもたちのための戦略的パートナーシップに合意しました。今年の協議では、保健および教育分野における子どもたちのための支援、また、優先度の高い地域としてアフガニスタンやサハラ以南アフリカについて、主に話し合われました。ユニセフと日本は、まだ支援が行き届いていない人々にも支援が行き渡るように、また、ミレニアム開発目標の達成状況における格差を縮小するために、緊密に協力していくことになります。 東京に滞在中、ジョンソン事務局次長は、日本のさまざまなカウンターパートに会うことができました。その中には、西村智奈美外務大臣政務官、その他の国会議員、小寺清JICA理事、米倉弘昌日本経団連会長が含まれます。米倉氏は、国連事務総長によって設立されたミレニアム開発目標アドボカシー・グループのメンバーでもあります。 |