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ユニセフ協会からのお知らせ

ミレニアム開発目標の一部達成!
〜安全な飲料水を利用できない人の割合が半減〜

【2012年3月6日 ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2011-1305/Njuguna
「安全な飲料水を利用できない人々の割合を半減する」というミレニアム開発目標の一部が達成された。

ミレニアム開発目標(MDGs)のターゲットの指標のひとつ「安全な飲料水を利用できない人々の割合を半減する」という目標が、2015年の目標達成期限より早く達成されました。

これは、本日(6日)発行されたユニセフと世界保健機関(WHO)による合同報告書「飲料水と衛生施設(トイレ)における前進(2012年更新)」の最も要となるメッセージです。この報告書によれば、2010年の終わりに世界の人口の89%が改善された水源を利用しており、ターゲット指標のひとつを達成しました。2015年までに、その割合はさらに高まり、92%になると見込まれています。

「今日、私たちは世界中の人々にとっての大きな前進を確認することができました」潘基文国連事務総長は、こう話しました。「『飲料水』の普及は、最も早く達成されたミレニアム開発目標の具体的な目標のひとつです。より多くの人々に飲料水へのアクセスを保障したこの成果は、ミレニアム開発目標の達成は夢ではなく、最も貧しい何百万もの人々の生活を向上させる重要なツールであるという証となりました」

「特に、子どもたちにとってこれは素晴しいニュースです」ユニセフのアンソニー・レーク事務局長はこのように述べました。「毎日、3,000人以上の子どもたちが下痢性疾患によって命を落としています。この『飲料水』に関する具体的目標を達成することによって、子どもたちの命を守る大きな進歩を遂げるはずです」

一方、レーク事務局長は、7億8,000万もの人々がいまだに安全な飲料水へのアクセスがないことにも警鐘を鳴らしました。「この数は、いまだに驚くべきものです」「しかし、今日発表された前進は、強い意志と努力と資金さえあれば、ミレニアム開発目標の具体的な目標は、達成できるという力強い証です」

この取り組みへの支援

グラミー賞を受賞した歌手で、作詞や作曲も手がけるレニー・クラヴィッツさんは、この具体的な目標達成に支援し続けてくれました。彼は、安全な飲料水と改善された衛生施設(トイレ)の重要性への認識を高めるためのユニセフの公共広告に出演。また、たくさんのメッセージがFacebookやTwitterを通しても伝えられています。

「水は、生きていく上で必要不可欠なものです。すべては水とともに始まります。少なくとも、この世界に生きるすべての人に安全な飲料水へのアクセスが保障されるべきです。飲んだり、身体を洗うため、そして適切な衛生状態を保つために—」クラヴィッツさんは、このキャンペーンへの支援について話しました。「私はこうした情報を伝え、人々の意識を高めるために、ファンの皆様に訴えていきたいと思います。」

3月22日は「国連水の日」です。持続可能な開発のための水の重要性について注目が集められるこの日にも、クラヴィッツさんの支援が助けとなるでしょう。

「誰ひとりとして、不衛生な水を飲み下痢になって命を落とすことがあってはなりません」と、クラヴィッツさんは話しました。「5歳未満の何千人もの子どもたちが、安全な飲料水と基礎的な衛生施設の不足というだけの理由で死亡している現状は、到底受け入れられるものではありません」

残された重要な課題

© UNICEF/NYHQ2011-1305/Njuguna
手押しポンプ式井戸から水を汲む女の子。まわりでは、他の子どもたちが順番を待っている。(ケニヤ)

安全な飲料水の不足は、世界的な公平性の実態を反映し、またこうした状況を生み出しているのです。たとえば、改善さえた飲料水を利用していない人のうち、40パーセントは、最も貧しく開発途上のサハラ以南のアフリカに暮らしています。そして、安全な飲料水が手に入らない地域では、女の子と女性に重い負担がのしかかります。多くの場合、女性が遠く離れた水源から水を運んでこなければならなりません。こうした家事仕事は、女の子たちを学校や仕事から遠ざけてしまいます。

さらに、WHOとユニセフの合同報告書では、世界はミレニアム開発目標の「衛生施設(トイレ)」の分野において、達成にはほど遠い状況で、2015年までの達成も見込めないであろうと指摘しています。また、世界人口のわずか63%しか改善された衛生施設を利用しておらず、75%という目標数値を下回っています。

「重要な重点目標のひとつを達成したものの、これで満足することはできません」潘基文国連事務総長はこう話します。「我々の次なるステップは、最も貧しく、最も厳しい状況に置かれた、最も支援の辿り着きにくい世界中の人々に支援を届けていくことです。国連総会では、飲料水と衛生施設(トイレ)は、人権にかかわる問題として認識しています。つまり、全ての人々がアクセスできなければならないのです」

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